Wednesday, December 22, 2010

アートセミナー「テートモダン」(その2)

アルベルト・ジャコメッティの作品を見て、人は何を感じるのか。

彼の作品は、現代アートの中でも高価格で売買されているとのこと。スイス人のこのアーティストが、この針金のように細い人物を制作しはじめたのは、二つの大戦後だそうです。ということは...、S先生曰く、原爆投下ということに対してのリアクションではないかとの見方もできる。なるほど、日本人としてはなんとなく微妙な気持ちにはなりますが、この異常な程に縦に長くそして細く、単純化された彫刻は、原爆投下の時の光で生まれた影すら彷彿できる...、と私としては感じました。なんだかそれが一番世界で売れている。そこにどんな意味があるのでしょうか...。

オランダ美術で、いろいろ考えてみたモンドリアン。抽象派の代表ともいえる彼が追求したのは"余分なものを削ぎ落とす"といった引き算の発想。それまでの絵画は絵の具を塗り続けて表現してきた足し算の発想だった、あえて逆の作業を行う。そしてそこに意味を見出す。心理分野の学問が発展してきた20世紀だからこそのリアクション。そう考えてみると、なるべくして起きている必然だったのだとも言えるかな...。

(つづく)

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