Wednesday, September 30, 2020

「透明な夜の香り」

VAKテストってご存知?

”視覚(Visual)聴覚(Auditory)触覚(Kinesthetic)”の頭文字をとった診断テストなのですが、相手が持つ"五感の中でこれら分類のどれかを使ってコミュニケーションをとっているかを知って(相手の世界がよりクリアに見えるようになるから)それにあわせて世界をみてみようよ、ってことが目的だったりします。

私が以前、この診断を受けた時完全なる「視覚優位」だったことを知りました。だから物事を視覚で判断して表現しているようです。
人の顔を名刺とかではなくて印象というか写真のように覚えていたり(そしてそれが記憶が蘇る)、料理のレシピを分量とかではなくてイメージ”ここまで煮詰めたから次の材料投入とか"で覚えていたり(だから、焼いている音がこう変わったらとか全く記憶できない)、一緒に見た映画シーンをセリフでは全く覚えていなくてその前後に何が見えたかとか覚えていたり(だから歌詞とか全く雰囲気でしかわからない)、道音痴が極まりなかったり(地図やら道路、土地の名前が全く記憶にない)、あげたらあげるだけ、、、ああそうなんだーって理由が明確になったりしました。w
ってことで、話戻るとこの一冊。記載はないけれど「絶対嗅覚」をもつ主人の家でひょんなことから家政婦として仕事を始めて心に傷をもつ主人公のストーリー。当然文字ベースの小説ではありますが、嗅覚の表現に脱帽しました。テキストしかないのにイラストが見えるんですよね、いや...色が見えるっていう方が近いかなー。すごく静かで穏やかな言葉遣いだし、テキストに表現されている様々な植物たちの香りとかめちゃめちゃ心地よくて。しばしの余韻に堪能できたのは久しぶりです。
ちなみに私の2次優位は”嗅覚”らしいのですが、そんな香りオタクの私を刺激してくれる素晴らしい一冊でした。もしご興味あれば。