Wednesday, December 08, 2010

アートセミナー「オランダ美術」①

西洋美術史講座・冬の陣が始まりました。夏に黙々と新宿に通ってから、あっという間に季節がめぐり先生も再びロンドンから日本上陸。相変わらずのお元気な姿と変わらぬ辛口トーク、なんだか嬉しゅうございます(笑)。

さて、初回の本日は「オランダ美術」。先生曰く、15世紀から変わることなく20世紀まで貫き通した北方ルネッサンスの画家たちを知ると、イタリア美術の宗教画がとっても素直でかわいらしく見えてくるとか。そして、それはおそらく現在もなんとなく感じている民族性がやはりでている、と指摘しています。

オランダ人。

かつて一度だけ上司にもっていたこともありますが、「お金に細かい」とか「なんだかどこか暗い」といった、堅さとか堅実さとか真面目さとか、正直あまり華やかなイメージはもってません(関係者の方がいたらごめんなさい...)。だけど一方で、同性愛を認めていたり、合法麻薬を認めていたりと有名な飾り窓とか、どこか開放的というかアバンギャルドなイメージも共存している。なんだか不思議な人種ですよね。

な〜んて、そんな前提で向き合う不思議なオランダの画家が描く世界。そこには、とても写実(リアリズム)を追求している画家の存在をぬきにしては語れないといいます。確かに、いままでなんのことなく見ていたそれぞれの画家の作品が描いている世界の細かいことといったら、正直目から鱗というか、恐ろしさすら感じました。なにせそんなもの必要あるんかい?とつっこみたくなるほど細かいし(技能比べですか?くらいの勢いなくらい)、その技量たるは素晴らしいもの。まるで写真のように、そこにある姿をいつわりなく移し込むという力の入れ方は凄まじいです...。そして、さらにそこに留まる事なく、なにかしら象徴的というか意味付けするものを存在させる。目に見えているそのままではなく、ヒントを盛り込んだ象徴物に画家の考えをうめこむ。それはある意味、謎掛け?そして、彼ら民族的な性格?

レモンの皮
くるみ
音楽を奏でる楽器
足下をあたためるあんか
エダムチーズ etc....

オランダ人がひっそりと意味を込めるアイコンを色々教えてもらって、なんだかこれからまたこの国の画家を理解する機会をえたように思います。
アートから民族を理解するというアプローチ、やっぱりちょっと面白い。

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