Wednesday, December 22, 2010

アートセミナー「テートモダン」(その前に...)

今年一年、色々な機会を探ってはアート史や芸術論についてレクチャーを受けたり、本を読んだりと学んだきたけれど、本日はその集大成のようなクラス。ずばりテーマは「アートって何なのか?」。

今年からロンドンのテートモダン(2000年に設立)の写真撮影がOKとなったそうです。ということで、S先生がバシバシ帰国前に撮影した写真を中心に、テートモダンコレクションの20〜21世紀アートについて講義を受けてきました。そして、しつこいけどテーマは「アートって何なのか?」です。

講義の前に20世紀の年表が配られつつ、その100年の歴史を改めて振返ってみると、なるほど色々な革新的な出来事がおきた時代だった、ということが改めて感じられます。

心理学の分野の発達、ラジオ放送、相対性理論、ライト兄弟の初飛行成功、カラー写真、二つの大戦、ヒットラー、心臓移植 etc...。今では当たり前と思っていることも、その時代・その瞬間においては驚くべき発見や出来事だったはず。だからこそ、その出来事に影響をうけたアートが生まれてきたのだってことも、時代を追うことによって理解できる。全く意味不明なものにしか見えなかった革新的な物体がひとつのストーリーとなると、人はそこに意味を付加したくなる。なんだか面白いというか、人間臭い分野であり学問ですよね。w

「20世紀アートというのは、アバンギャルドでありながら、私たちの知っている歴史に乗っているから共感できる」。これはS先生がふとつぶやいた名言。

先生は、ルネッサンスや宗教画なんかは"覚えたら理解できるアート"なんだと思うよ、といつもお話くださる。アジアに生まれた私たちにとっては、やはり宗教画(キリスト教がベースとなった)を心底理解することは難しい。知っていたら、ああなるほど、このアイコンとか神話とかって思うけど、それがある意味テクニックであって心で感じているものではないような。。。もちろんそういう知識をもって見ることによって、何かを感じるっていう楽しさもあるし意義はある。でもそれはやはり過去のものであって、自分とは同じ場所にいないものなんだよな〜...(なんかうまく言えない)。

そんな前置きありの講義は、テートモダンで進むのでした。
(つづく)

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