Saturday, September 04, 2010

「これも自分と認めざるをえない展」@六本木

ミッドダウンに訪れる用事があったので、佐藤雅彦さんがディレクションを行っている展覧会「これも自分と認めざるをえない展」に行ってきました。テーマは「属性」。

人は生きていると、つねに何らかの属性分けをされる。初めて人と知り合う時にも「○○会社に勤務している○○」という所属がないと説明が難しいし、「昨夜友人とご飯を食べた」という話をすれば「大学時代の?」と尋ねられる。小さなことでいえば、トイレに行けば大抵「男女」に別れているし(当たりまえか。w)、アンケートに参加すれば「35歳以上に○」をつけることになる。37歳を超えれば「アラフォー」と呼ばれ、結婚していないとその昔は「負け犬」と言われた。つまり、世間は常に人を属性分けをし続けているということ。

自分自身がマーケターとして仕事をしていると、そもそもこれらの属性データを使って戦略づくりをしているのだから、ある意味それが必要な世の中であると思いつつ、いっぽうで無頓着になっているのかもしれないと、この体験型展覧会をめぐりながらふと感じる。そうして分け続けられた私って、本当に私なんだろうか、なんて思ったりもして。そのほかにも、雑誌特集で血液型や星座とかの占いを見ては、「これはあくまで統計学だし、あたるとかいう問題じゃないし」なんて思っていたりもするけれど、この展覧会も同じだな〜、とか思う。ある意味、統計学に近いというか、傾向属性とでもいうのか、自分が「属性分けされる泉」の中にいるだけの個人なんだ、なんてことを嫌でも突きつけられ感じたりもするから、そんな現実を「認めざるをえなく」なる。けっしてネガティブな意味ではないのだけどね。

てことで、会場にはいってまず自分の名前や身長・体重を登録して、参加開始。チェックインして最初の体験は、自分の指紋を「泉」に落としていくことから(これが最後につながっている)。その後、「属性ゲート」を通って...と続く展覧会。とても興味深い経験でした。夜だったからなのか、そこまで混んでいることもなく、1カ所並んだくらいで、すんなりと体験できたし。

お友達といくと楽しいかも、とおっしゃる方もいますが、私の場合は逆に一人でいくのがあえて楽しいかも、と思いました。
自分が記号化され、属性分けされ続けていることに対して、どう感じ向き合うかっていうのは、話しをしてシェアしあうよりも感じる方がより深いところに到達できる気がする。

とにもかくにもおすすめです。是非。

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