Friday, May 08, 2009

「ある公爵夫人の生涯」(2008)

原題は「THE DUCHESS」、そのものずばりの「公爵夫人」。女性が産む道具でしかなかった時代に、「個」を輝かせ生き抜いた女性の物語です。

17歳で世界で最も裕福な公爵の一人デヴォンシャー家に嫁いだジョージアナ
。賢く聡明で美しい彼女にとって「結婚」とは、思い描いていた以上に苦しく辛いものでしかありませんでした。女性には全く自由がなく、「結婚」はあくまでも世継ぎを作るための手段でしかなく、夫との間に小さな「愛情」すら感じることができない。そんな逃げ場がない中、ジョージアナが夫との確執にあがく姿が最後の最後まで続いて、苦しかったぁぁぁ。

正直、この時代。愛情のないままに結婚生活を送る夫婦というのは、珍しくないとは思いつつも、やはりどこかに救いを求めたくなりますよね。彼女の生涯の後半については、映画の中では語られていませんが、様々な苦難を受けいれた人生を送り、死を迎えたその最期の瞬間、彼女が何を思ったのだろうということがとても気になりました。

さて、この映画の時代から200年。現代を生きる私たちにとって「結婚」とは何か、「パートナー(相手)」とは何か、なんてことを改めて考えます。

最近読んだ本に、とても興味深いことが書かれていました。
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(一部抜粋)
「理想的なビジネスパートナーというのは、「その人がいなければやっていけない」ということではない。「あなたなしではやっていけない、生きていけない」というのは、可愛い感じがするが、あっという間に依存に結びついてリスクが高い。一人でも充分にやっていける人同士が信頼とビジョンを共有することで、初めて理想的なパートナーとしての一歩を踏み出すことができるのだ。」
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ビジネスパートナーとの関係は、人生のパートナーに自分が何を望むかってことに似ているのではないでしょうか。依存ではなく、自立している関係だからこそ、お互いが同じ方向を見つめることができる。尊敬し合えうことができる。一緒にいるからこそ、新しい何かを生み出すことが出来る。

私は、そんな関係でいたいです。

■ある公爵夫人の生涯(2008)
http://www.koushakufujin-movie.jp/

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