Wednesday, April 06, 2011

「葡萄酒の戦略」(前田琢磨 著)

白状します。

韓国企業で働いているというと、ほぼ100%の方が「新大久保」「焼き肉」「韓国焼酎(含む爆弾酒)」の話をされますが、実は入社してから韓国料理三昧だったのは、先日の出張の時だけ。しかもそこでも、結局「韓国焼酎」をいただくことはなく、思えば「まっこり(これは韓国文化ですが)」か「ドイツビール」でした。期待を裏切るようで申し訳ないのだけど、個人的には帰宅すると一人フランス気分だしね〜(苦笑)。やっぱり私の本流は変われないのかしら?

さて、これはワインな本。

通常、ワイン本というとワインの歴史やらテイスティングの楽しみ方をメインにしたものが多いけれど、私が今回この本を手にしたのが、ワインをマーケティングの切り口から語っていることが興味深かったから。非常に革新的な考え方というかアプローチだな〜って思うし、そういう観点でワインを見ることができてちょっと楽しい(かつ、葡萄酒って言っているのがこれまたイイ!)って思ったので、ついつい手にとってみることに。いやはや、面白かった。

パリに暮らすAお姉ちゃん曰く、フランスに暮らしていてもフランスワインではなく、新世界ワイン(カルフォルにアやオーストラリア、チリとか)を飲む機会が増えたそうです。悲しいながら1年以上帰省できてないので1年前の記憶ですが、前回訪問時にビストロで提供されるワイン(グラス)のラインナップもフランスだけではなかったもんな〜。加えて、昨年なんちゃって通訳で訪れたサンフランシスコでいただいたワインも本当に美味しかった(現地から報告をしていた某人には、完全に"遊んでいる"と疑惑をもたれるくらいenjoyモードになっていたし...w)。なんだかフランス一辺倒だったワインの世界に、変化が起きていることは間違いないようです。

伝統的なフランスワインに対しての新世界ワイン。技術や大規模な投資が可能なこれらワインが、ゲームに変化を及ぼしているのかも...なんて改めて実感します。それは、私が今、身を置いている製造業(メーカー)の世界でも一緒の話。先行していたメーカー(欧米&欧州)が、新興国の技術力や投資に押されているという事実。まったく違うカテゴリなので、似通った観点で見ることができる。面白いですよね。

そして、そんなことがロジカルに説明されている本書。ラグジュアリーブランド並みの買収劇や経営破綻等、なんだか今まで知ることがなかった裏側チックなものをまとめて知ることができたし、総体的な流れも理解できたしよき学びになりました。やっぱり、どんなカテゴリであっても、そこにプロダクトが行き来するのであれば、戦略は存在する。それを知ると、よりそのモノが近い存在になる。興味深し!

友人たちによれば私はフランス好きな故にワインに詳しいと思い込まれているので、食事に行くとなぜか私がワインを選ぶ機会が多いのですが、正直ワインの勉強は途中で投げ出してしまい(あまりに種類が多くて覚えるのは無理!!)、昨今は完全なる"飲ムリエ"でしかありませんでした。この本を読みながら、もっとテロワールやセパージュに敬意を表し、再び勉強しようかな〜、なんて思ってみたりしたものの....できるかな〜?(爆。

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