Sunday, February 12, 2012

西と北の食文化

北海道で生まれ育った私は、どうやら新鮮食材の貴重さに鈍感だったと思います。

30歳手前から東京で暮らすようになって、これまで普通にスーパーに行くとラフな感じで売られていた魚介やら農作物が日常生活から失われた時に初めて「北海道で暮らす」ことの有り難さというか、食という観点での恵まれていた環境を理解したものです。とはいえ、月に一度の帰省の際にたんまりと生ものを調達して戻ってくるという生活が一方でもあったから、「加工品(料理のこと)は東京がベスト。生の素材を楽しむなら北海道がベスト」なんて、自分の食生活を二分することも覚えたのだけど(笑)。

そんな中で、ご縁あって西の文化で暮らしてきた人と時間を共有させていただくと、これまた新しい刺激をいっぱい得ることができます。人間、やはり母の味というか故郷の味で育ってきているし、味覚の決定にかなり大きなウエイトを与えられてると思うのです。だから、一緒に食事をしている相手がどんな味で育ったのか、どんな香りある食材
で育ったのかっていうのを知るのは、相手を知ることにも同義でもあって、なかなか興味深いものです。

そういえばちょっと脱線話ながら、「母親の卵焼きは、甘かったか、塩辛かったか」なんていうのも一緒ですよね。私の場合は、お醤油と砂糖のコンビネーション抜群の母の甘い卵焼きで育ったから、もちろん自分で作る時も甘系なのだけど、数年前に付き合っていた異国人から「卵焼きが甘いなんて、お菓子みたいだ!」と大不評だったトラウマがあってしばし封印(→わりに素直な性格。w)。でも、やーーーっぱり捨てられない味覚ってあるんですよね。結局、相手と距離ができた後からは当然ながら復活して、やっぱり私の卵焼きの味は変わらず甘いのです。って、何の暴露だ?(苦笑

話戻って。


今回、再びお土産にいただいた「西日本堪能弁当」を食することは、ちょっとテンション上がり系。いわゆる家庭料理が詰まっているお弁当って、郷土を感じ、相手の味覚を知ることができるし、新しい刺激を与えてもらえる。そして、自分の育った北国の食材とうまーい融合(マリアージュ)をみつけた時の喜びって、なんだか巧く表現できないけど宝物探しをした気分になるのです。だから、今日のランチタイムはとっても貴重な時間。友人Kちゃんが関わったというニシン味噌とモチモチした食感のご飯のマリアージュは、かなりの絶品!!すごいよ、コレ!

食文化は楽しい。旅にでた時の楽しみの一つはやっぱり食。
人間の原点。生きるって素晴らしいのだ!

●ニシンのおかげ
http://www.ippachi.co.jp/nisinmiso.html

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