Saturday, November 29, 2008

風をよむ

DOGトレーナーとお仕事をしているとなにげに思うのは、多くのトレーナーたちは留学している(海外でお勉強してきている)ので、すっぽりと「平成」前半の日本がぬけていること。なので、会話の端々に「昭和」ネタがでてきたり、カラオケ行くと「阿久悠しばり」で盛り上がったり。自分も同じような年齢(±5歳くらい)ってこともあって、懐かしい反面、妙にホッとしたりもします。w

てことで、前回同様「昭和本」シリーズ・第2弾。これもやっぱり昭和代表の王子(笑)から借りてきた一冊。

この本はどうやら92年10月から93年3月までの半年間、「スポーツニッポン」紙上に掲載した「阿久悠の実録テレビ三国志」という連載をまとめたものらしい。前半が「スター誕生」秘話で、森昌子、桜田淳子、山口百恵の中三トリオの誕生そしてピンクレディで終焉を迎えるまでの話が書いてありました。「スター誕生」に関わっていた阿久さんならではの見解も加わっているので、読み物としてもカラクリめいたことを知るにも面白い。で、後半はグループサウンズ、特にザ・スパイダーズの誕生秘話がメイン。逆にこちらは、私のもうちょっと上の世代なので、あんまりピンこないというか、懐かしさも感じない話ばかり。結構読み飛ばしちゃった(笑)。

阿久悠という作詞家が亡くなったのは2007年。亡くなってから初めて知った名前だったけれど、彼の残した作品のバラエティの広さにとても驚いたなぁ・・・。そして、ほんのちょっとだけ(一歩前よりも近いくらい)新しい感じが当時、一世風靡したのだろうと思ったり。その時代の風をよむのがうまかったのだろうね。

文庫の最後の解説に気になる一節(以下抜粋)。

「・・・阿久さんはしきりに、近ごろ、日本人の歩幅が広くなりすぎている、と指摘していた。大股で歩むうち、いつしか気付かずに踏み越えてしまった大切なものが、私たちの背後にあるのではないか、と。・・・・」

私自身、スピードある毎日の中でガンガン前だけみて歩いていて、大雑把にものごとをみているのかもしれない、と人間として本質的な部分を突かれた気がしました。海外に旅にでると、時間がゆっくり流れ風の動きや匂いを感じることができるけど、そういえば日本にいる間、仕事に追われ日々に追われ、何も感じないのが当たり前だと思っていたなぁと。きっとすっごく心の中も大股で歩いているんだろうなぁ・・・。いかんいかん。

何を私は急いでいる?一日はどう過ごしてもみんなに平等に24時間。ゆっくりモノを感じて生きていかなきゃ、つまらないかもね。

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