Saturday, August 08, 2015

「夢見るフランス絵画」

個人的にルノワールが"ルノワール"になったのは、1890年以降だと思う。90年前の作品はどこかモネっぽかったりするし、彼らしさでもある「パステル調の柔和の女性表現」が明確に出てくるようになったのはその頃からからな〜と。

今回の展示で"ルノワール"以前(勝手にそう呼んでいるだけですが)の1879年の作品が2点来ていたので、ちょっと興味深く比較して観てきました。こういう時、地方都市開催だとゆっくり観ることができていいもんです。w

それにしても、"印象派"といっても本当に色々な画風があるなと感じます。学生時代はどちらかといえば「なんかキレイな絵だな〜」とか「わかりやすい絵だな〜」というのが"印象派"なんだと思っていたけれど、実は全く違って、そこに隠された思想が入ったり、それまでの時代で吉とされていてものを本気で打ち砕きにいっているエネルギーや挑戦が見え隠れしたり、異文化を巧みに取り入れて(これもチャレンジのひとつだけど)うまく昇華させてみたり、まさに激動だったんだろうな、なんてことを今になって知ることができたから故に思います。先日もぶつぶつと呟いたけれどフランス革命を終えて100年も経っていない頃、あの地はきっと刺激でヒリヒリしていたに違いありませんね。ちょっと体験してみたかった(苦笑)。

展示会後半に、藤田嗣治の作品も6点ほど来ていました。洗礼を受ける前の彼が見えていた世界を、訪れたばかりのランスの記憶が薄れる前に此処で再会できた嬉しかった。やっぱり私は、フランスにいつまで経っても夢見ているのかもしれません。

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