Sunday, August 17, 2008

「記者の目・女の目」(下村満子)


子から借りた本・その2です。昭和55年初版本。どうやら既に廃版になっているらしい・・・(Amazon調べ)。

この本が書かれたのは、かれこれ・・・・28年前(!?)なので、かなりジェネレーションギャップを感じる内容も多かったけど、とても興味深かったのは確か。王子曰く、彼女は、記者として非常に成功した最初の女性でもあり、彼の前々職の広報部長おすすめの一冊だったらしい。という理由で、リコメンされてみた。

読んでみると、不思議とここ数年の自分の私生活とかぶることにびっくり。この本のボリューム内で結構なページをさいているアラブ社会だけの話だけではないけれど、やっぱりそれが一番琴線にふれたところでしょうか?(爆)彼女が四半世紀前に語るアラブ社会。私が知っている21世紀のアラブ社会。遠いようでもとても近くて正直びっくり。実は最近ではなくてこの時代からあまり変わっていないんだということに加えて、なるほど、そういう背景があっての「今」だったのね、なんて改めて理解したり。

・・・つまり、日本社会は四半世紀過ぎても全く真実の情報が入ってきてないってことの証明だったりするのでしょう。ううむ・・・とは言っても、やはり彼らの宗教や文化は理解を超えるんだけどね、自分ごとになると更に更に・・・。そういう意味では、私はたぶん誰よりも今のアラブを知っていつつ、誰よりも理解できないのかもしれないなんてページをめくりつつ考えました。

さてこの本の面白いところは、アラブ話題に限ることではありません。世界の女性について触れられている彼女の所感はとても納得できるものが多かったりします。この時代に一斉を風靡した「ウーマンリブ」。私は正直、賛同できなかったのですよね(そういう時代を生きてきた日本人女性と話をしていると感じる不具合はたいていこれだった・・・)。なぜに女性が男性に勝たなければならないのか?そういう意味では、この本の中にあるドイツ人女性と同じ思いを感じます。共存することの方が私には大きなテーマ。私にとっては、「○○出来る人」というラベルが大切。女性だから・男性だから、ということでのランク付けは不必要。勝つ必要はないって思うので、片意地はりたくないなぁなんて。

四半世紀前から世界を知る女性、下村氏。会ってみたいものです。

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