Friday, April 01, 2016

La Primavera(春)

Londonから先生が帰国し、お勉強月間開始。一人目は"Botticelli(ボッティチェリ)"、滑り込みで行ったばかりの"彼"です。

今回テーマとして先生が掲げられているように、確かに有名で露出が多い作品は“知っている”と思いがちで、知っている情報や先入観が先立ってしまい、まっさらな気持ちで向き合うことが難しいかもしれません。知識が先行しちゃうっていうのでしょうか。

例えば、門外不出で一度もイタリアから出たことがないこの子もそう。あまりにも有名過ぎて、「何故この作品が有名のか、何がすごいのか」なんてこと考えたこともない。ましてや「何故この作品は"春"という名前がついているのか?」ということもね。

さて思えば、何故にこの作品って「La Primavera(春)」なんでしょう?しかもたまらなく抽象的なタイトル。15世紀のイタリアで描かれた作品は基本的には「聖母子と○○」とか「ダビデ」とか「洗礼者と○○」とか若干説明的なものが多いのに、いきなりこれだけ「春」。ヴィーナスに天使、三美神、ゼフェロスとクロリスが作品内に共存していて、神話を描いていると思っていたけど、言われてみたら、そんなシーンないし、春の話でもない。あれれ?

ってことで、キリスト教のスイッチをONしてみる。不思議とヴィーナスと思われる人の上には半円が見えてくる、あれれもしかしたらこれってマリア?"春"っていえばイースター=復活ってこと?

今まで思い込んでいたことや凝り固まっていた先入観が、ちょっとした言葉によって、まったく違う世界に見えてくる。私たちの日常もそんなことばかりだよね。知るって本当に大切なこと、耳を傾けるってもっと大切なこと。

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