Sunday, April 03, 2016

Children's Games(子供の遊戯)

アート表現には国民気質というものが不思議と表れると思う。イタリア人はやっぱり俺ってすごいだろ的な声が聞こえてきそうなムキムキイケメンを描くし、愛の国フランス人は肌がほんのりピンクがかった可愛らしくロリがはいった女性を、闘いの国スペインは暗黒の世界が印象的なドラマチックな世界を描く。

さて、北方系つまりネーデルランドやベルギーといった人たちは?広くもない空間にぶわ〜っと沢山の人を描く、そんな傾向があるのが北方系の一つの特徴。でもどうしてそんなことするんだろ?

Bruegel(父)の作品の一つであるこの絵のタイトルは「子供の遊戯」。誰が数えたのでしょう、90の遊びと230人の子供が描かれているそうです。でもこの子たち、本当に子供なんでしょうか?顔はみんな大人に見えませんか?でもって遊びのひとつひとつもみてみると、なんだか意味深いものがあったりアラレちゃんの"つんつん"的なものもあったり。うーん、これまたなんでこんなテーマ描いたんだろ?言いたかないけど、これが描かれた時代(1550年)って、ミケランジェロは宗教改革のタイミングの最中、教皇に依頼される宗教画に苦悩していた時期。一方で北で子供の遊びってね〜(苦笑。

ってことで国民気質。昨年訪れたベルリンでも感じたけれど、一筋なわではいかないというか、単純ではないというか、ストレートではないっていうのが彼らの特徴。だからきっとこの中にも込めたメッセージがあるはずです。

同じ遊びを飽きることなくずーっと続けていられるのが子供。だけどそれって本当に子供だけでしょうか。大人の方がだめな遊びに身を投じて抜けきれないことありませんか。だめよ、だめよもなんとやら、実はそこに人間のもろさや愚かさをみることができるのかもしれませんね。美味しいもの食べたいし、シャンパーニュはやめられない、いつまでたっても痩せられない私はその典型です(苦笑。

表現に対して実はとっても骨太だったBruegelが今生きていたら、どんな世界を描くのだろう。彼は何を伝えようとするのだろう。話をしたらきっとめんどくさいおっさんなんだろうけど、私にとって会ってみたい画家の一人です。

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