Wednesday, September 23, 2015

「境界」 高山明+小泉明郎展

難しい展覧会。漠然と観ていたら何故「境界」というテーマなのか、非常にわかりにくいというか難しかった...。
高山明さんの作品は、単純に言えば5つのディスプレイの中で"牛たちが干し草を食べる"というもの。漫然と観ていると気付きませんでしたが、一つ一つのディスプレイの間を歩いていくと、緑の中で沢山の牛たちが食べている映像から一頭だけが雨の中でただ立っているという映像に変化していっていることがわかりました。そして一旦戻って改めて全部を見ると、最初と最後は全く違う世界。少しずつの変化だと気付かない、つまり境界っていうのはわかりにくいものだということを伝えてくれているのでしょうか。
一方で小泉さんの作品。二つの映像作品が、主に人間の声に注力されて表現されていました。それも時にポツポツと、また時に苦しんでいるような絞り出すような感じの声です。解説によれば、「自分の思い出したくない告白を無理矢理頭の中から引出そうとしている」もの、もうひとつは「記憶障害をもった男性が思い出したいことを思い出せずに苦悩している」シーンらしい。ふむふむ、思えば正反対のふるまいですよね。思い出したいけど思い出せない、覚えたくでも覚えられない。でも、もしかしたらその"こと"というのは立場や空間によっては同じものなのかもしれない。これもまた「境界」があるようでないと気付かせてくれる。
さてここで戻ってこの展覧会のテーマである「境界」とはなんなんだろう。曖昧なもの、線引きなんて明確じゃないんだよ的なもの、つまり決めるのは自分の心と眼だってことか?な〜んて、最後のまとめは雑ですな、私。

開館日: 7 /31~10/12
開館時間:11:00~20:00
入場料:無料
http://www.maisonhermes.jp/ginza/gallery/archives/10076/

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