Sunday, November 26, 2006

CREA(クレア)


実は私は、雑誌オタクでもあったりする。雑誌に限らず、毎月かなりの冊数を読む私を母は「二宮金子(にのみやきんこ)」と子供の頃から呼んでいた。確かに学校の行き帰り、ランドセルを背負ったまま本を読んで歩く姿は、あの銅像と重なるのかもしれないと今更ながらに思いつつも、やっぱりちょっとカワイクないネーミングよねぇ(ちなみに、一応補足すると、私はあんなに勉強家だったわけではない)。

さて公私ともに、様々な雑誌を読み続けた私の中で、「これは面白い雑誌だわっ!」と一番記憶に残っているのが創刊当時の「CREA(クレア)」。1989年に文藝春秋さんから、従来の女性誌のパターンとイメージを超えた斬新な切り口が売りの雑誌として創刊されたこの雑誌の
名前の由来はCREATION(創造)だったと記憶している。さすが「創造」と名付けられた雑誌なだけあって、今思い返しても別の意味で「想像」を絶する(!?)企画や特集が盛りだくさんで、毎回次は何がくるのだろうとワクワクしたもの。ある意味「こんな雑誌、発行していいのかしら?」なんて、学生時代の私は思っていた。だけど、そんなむちゃくちゃ加減がとっても面白かったなぁ。

例えば、1990年代の特集はこんな感じ。「ピルの自由化」「男を捨てよう」「ニュース大好き・東欧・ソ連国際情勢篇」「会社に言いたい」「結婚を求めるゲイパワー」「戦争がいっぱい」「橋本龍太郎 わが女性問題と消費税」「宗教大特集」etc...

ヌード特集では、男性モデルがひたすら裸・裸・裸になるし(これがうまいこと見えないのよ、ちっ)、レズビアンの特集では人工授精とかかなり突っ込んだ取材をしているし、中東問題ではあのフセイン大統領のことやアラブ社会のことをしっかり伝えている。今読み返すと、これがまた面白かったり興味深かったり。ある意味、すごく編集サイドが自由に創っているんだろうなって思える内容。

今の雑誌は、そこそこ売れるようにしっかりマーケティング戦略にのっとって創られているから、発行部数もそれなりながらあまり個性がなかったりすることも多いのが事実。先日、某誌元編集長と話をしたときにも「広告がとりやすい雑誌にして」と言われていて、すごくストレスだったなんて話もしていたっけ。そんなことを思って、改めてこの時代のCREAをみると、やっぱりとっても自由。この時代は編集人が好きなように自分の色を付けることができたんだろうね。残念だけど、今この雑誌ですらここまで尖った特集やら企画やらやらないしね。

私はマーケティングや広告の世界にいるので、なんとも微妙なところではあるものの、編集人にはやっぱり自由でいて欲しいし、楽しませてもらいたいなぁなんて思うなぁ。
がんばれ、雑誌業界!!


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