Tuesday, July 13, 2021

「鶴の恩返し vs 美女と野獣」

絵画作品の比較はこの場でもよくぶつぶつ言っている私ですが、幼少時代に読む「おとぎ話」のエンディングというか構成が日本と欧州ではこんなにも違うんだな、と。

動物や精霊との恋愛ストーリー(昔話)は、欧州で言うならディズニーで有名な「美女と野獣」、バレエでは「白鳥の湖」とかでしょうか。大体の話が何らかの魔法やら呪いによって異種に変身させられていた王子が「真実の愛」によって人間に戻ってハッピーエンドっていう話かと思います。これはキリスト教の教えの中にある「動物支配」という考えに基づいていることに起因しているそうです。そしてこれら多くは男性が女性が異種であることに気づいても追いかけるのも特徴。興味深いです。

一方で日本の場合、ほぼ異類との結婚は破たんして終わるというのが特徴とのこと。例えば「鶴の恩返し」だと男性が見てはならないという禁忌を破ることにより、嫁がもとの姿に戻り男性のもとを去って行くというお話。悲恋ものですね。こちらはどちらかというと「別れの抒情性」に注力している(だから男性は「なんてことをしたんだー!!」と落胆するだけで追いかけない)という日本的思想があるのではないかと言われているそう。なんとなく納得しちゃいませんか?笑
自分が今生きている時代は、すごいスピードでどんどん変化しているなんて思い込んでいるけれど、実は何百年を経ても変わっていないもの、考えがあるんですね。それは教育の影響であるのか、生き方の違いなのか。面白かったので、もうちょっとここ掘ってみようと思います。

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