Friday, August 10, 2018

art de vivre: 風俗画を見ながら、なぜ漫画とアニメが日本の代名詞になったのか考えてみた。

西洋美術史をたどって行くと、東インド会社設立などによってめちゃめちゃバブっていた17世紀のオランダで好んで描かれていた絵画ジャンル。掘り続けてみることによって世にも愉快で奥深い世界に導かれます。はい、毎度私が茶化しております北方ルネサンスな方々です。w
昨夜は春に訪れたオランダで会ってきたそんな風俗画をテーマに帰国中の先生のclassを受けてきました(脱線ながら先生と「あの時のホワイトアスパラ美味しかったねー」とか話し込んじゃったりして...苦笑)
毎度思うのですが、風俗画ってボケーっと見ているだけで面白いんですよね。描かれている謎を発見する喜びとでもいうのでしょうか。自国の名産品を入れたり、俺金もってんだぜ的にさりげなく調度品やら建築物を自慢しちゃったり、カルバン派プロテスタントであるが故の"女性とは"的な説教垂れメッセージを入れ込んだり、本当めんどくさい。だけど嘘がない。21世紀を生きている現代の私たちにとってもああああああああ、って思うことが実はいっぱい共有できてるってすごくないですか?
クソ高い家具の上にこれまたクソ高いツボとか乗せちゃってるとかってさ〜、地震もないしオランダ人でかいもんなーとか思うわけですよ。家具一つ見ても、何せごつくてでかいの作っているんだけど、細かな掘りの技巧とかは凄まじかったり高価な黒石とか使っちゃってるんだよね(ちなみにこれが、イタリア行くと技術というよりカラフルになるし、フランス行くとブルボン朝なキラキラ光る取手とかになる)。
そんなことを思いながらもう少しだけ考えてみると、当時のオランダ人にとって絵画は"メディア"であって、時空を超えて自分たちの生活を私たちに知らせてくれているのかもしれないな、と思う。自己表現とでもいうのかな。同じ西洋でもイタリアやフランスもそれもあるかもだけど、家具の例から推察するしかないというか....そもそもこの17世紀になってもイタリアでは宗教画を描いて頭に輪っか乗せてるし、実のところはわからないよね。だって、残ってないんだもん。じゃあ、日本人は?
日本にとっては、西洋のようなビジュアルの世界ではなくて、言葉の世界が表現方法だったのかもしれない。俳句や短歌といったものは、海外にはない文化であり、素晴らしい表現方法であり、そこには生活や四季がある。だけど世界的には全くをもってメジャー級ではないのはなぜか。だって言語文化が違うんだもんね。だからビジュアル重視で彼らにとって理解しやすかった「漫画やアニメ=日本の代名詞」と捕らえやすかったのかもなんて。考えすぎかしら?

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