英国ロイヤル・オペラ・ハウス版「兵士の物語」を観に行ってきました。好きなダンサーの一人でもあるアダム・クーパーが主演。彼が踊るのを見るのは数年前に来日した「SWAN LAKE」以来です。
1時間半の舞台は、途中休憩なしのノンストップ版。出演も4名のみで、ストーリーテーラーが全体の展開を導きます。ちなみに、あらすじはといえば。。
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休暇をもらい、故郷の母に会いに行こうとするひとりの兵士が、ふとしたことで悪魔に魂を奪われてしまう。兵士は、悪魔に心(ヴァイオリン)を渡し、そのかわりにお金や物、なんでも手に入れることが出来るという、奇妙な本をもらう。そのおかげでこの世でくらべるもののないくらい大金持ちになり、その上、ある国の王女を嫁にもらうという幸せも得る。
しかし、兵士は、何か満たされないものを感じ始める。いまの幸せだけでなく、貧しかった時代の、あの幸福も忘れられない…。兵士は、ふたつの幸せを得ようと、王女を連れて、故郷の母のもとへ向かうが…。
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悪魔が兵士をそそのかし、不幸の闇へと突き落とした。表向きはそんなストーリー。でも、実は教訓めいたものがこの物語の根底にあるのでしょう。そしてそれは、とても深い。
それは、いま持っているものに、昔持っていたものを足し合わそうとしてはいけない、ということ。
一つ幸せなことがあればぜんぶ幸せだと思え、ということ。
二つの幸せは無かったのと同じだ、ということ。
人間はどうしても、何かを手に入れたらもっともっとと思ってしまいます。私もついそんな気持ちになりがち。自分が既に持ちえているもの、実はあまり意識してないものね。
今、持っているものや傍にいてくれる人がいることに、もっともっと感謝しよう。謙虚にならなきゃ、なんだか強くそんな気持ちにさせられた。
悪魔にそそのかされないように。
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