Wednesday, September 12, 2018

art de vivire: 「モネ それからの100年 -MONET'S LEGACY 」

新しいアプローチで旧来の画家を再発見するのはとってもワクワクします。モネに影響を受けた画家はとても多いと言われるけれど、この展覧会で紹介されていた作品はhommage(尊敬や敬意)の域を超えていて、何だろう...私にとって新しすぎて(世界の現代アーティストの展示がそもそも多かった)知り得ていない表現にドキドキしました。だから、すごくすごく面白かった〜(この企画のキュレーター誰なんだろう?)。
その中でもとても気になったのが、Louis Caneというフランスのアーティスト。空気に色彩を与えた人。めちゃめちゃ素晴らしかった。残念ながら2次元の世界ではこの素敵さが伝わらないので動画を探してみた(あ、結局2次元だ...)。いや、写真よりは少しだけわかるかも。www
もちろん私もモネは好き。テレビ放映の影響で朝から大行列だったと嘆く皆さまの意見もわかる。見に来たくなる人の気持ちもわかる。でもね、実は今回の見所はモネ自体ではなくて、そこから派生した”空き空き”エリアの方々だったのだって私は思うわけです。だからモネぇぇ〜って見てたら勿体無い。「人がいないエリアを狙え!!」な展覧会でございました!!
会期は9月24日まで。お急ぎくださいませ。
***
会期:2018年7月14日(土)〜9月24日(月・休)
開館時間:午前10時〜午後6時
会場:横浜美術館
https://monet2018yokohama.jp/

Friday, September 07, 2018

認知症(dementia)

「認知症サポーター養成講座」を受講してきた。誰にでも起きうる脳の病気ではあるけれど、それがいわゆる加齢によるボケや痴呆と同一視されてしまい、悲しい思いをしている方が多いことは否めない(その逆も然り)。自分の両親含め、だんだんとそのような年齢や状況にある方と接する機会も多い昨今、良い学びになった。
話を聴きながら、一番合点がいったのは「認知症の人は、自分が何をしたかは覚えていないが、その時、嫌な気持ちになった、怒鳴られたといった感情は覚えている」ということ。例えばゴミの分別を間違えてご近所からクレームをもらったとする。そうするとゴミの分別が悪かった、ということは覚えていないけれど、クレームを言われた時に怖かった、悲しかった、という感情だけが記憶化されるということだ。同じように、道に迷ってしまっていたところを誰かに助けてもらって家に連れて来てもらったとする。その場合、道に迷ったという事実は忘れてしまうけれど、優しくしてもらった、一緒におしゃべりをして楽しかった、という感情は残るということ。これは、年齢を重ねた人、病にかかっている人にも共通する傾向であると思う。事実ではなく、人には感情が残るということ。子供のいじめもそうだね。
区のボランティア仲間からお誘いいただいて受講する機会をいただきましが、これからの時代みんながサポーターであるといいな、と思う。ましてや昨日のような大きな地震が起きた時など、周囲の理解や助けが一番重要だものね。
http://www.caravanmate.com/

Friday, August 31, 2018

art de vivre; Impressionists in London - French Artists in Exile 1870-1904 -

昨夜はMie先生の夏最後の講義。テーマは"Brexit"をアート視点からというもの。来年3月のことなんだもんなぁ...。あの投票が2016年の6月の出来事だったと思い返すと早いなぁと思う反面、直前になっている今、日本ではあまり話題になってもいないってのも確か。EC諸国ではどうなんだろう。
そして全く知らなかったこと、普仏戦争でParisが多大なる被害を受ける戦場となっていたこと。それによって多くのアーティストがLondonに逃亡していたということ、しかもNo Visaで...これって今の時代にEU脱退を決めたことによって「移民や難民を受け入れたくないんだろ?」って叩かれているイギリスって国を改めて考えるとどうなんだろ?受け入れた歴史ある...よね?
そしてその難民となって30代の時にイギリスに受け入れてもらっていたモネ。だからモネは晩年にあんなにウエストミンスターを描いていたんだーっとか、始めたわかった。60歳すぎたおじいちゃんだもの...そりゃ懐古的になるよな。
大規模な展覧会は大体5年くらい前に計画するので、そういう意味ではこの展覧会を企画した段階で、よもやイギリスがEUを離脱するなんて誰も思っていなかっただろう。そういう勘とかセンスとか、テートモダンって奴はやっぱりすごいんだと思う。そんなことを改めて教わった昨日の時間。ああ、やっぱりアートは面白い。
https://www.tate.org.uk/…/ey-exhibition-impressionists-lond…

Saturday, August 18, 2018

art de vivre ; ブリューゲル展

東京で見逃してしまったので、早起きして芸森まで参りました。個人蔵のオンパレードで100点以上、もしかしたら私が生きてる間にもうこんなにブリューゲル一家をまとめて観れる機会なんてないんじゃないんだろうか。パパブリューゲルが亡くなって450年だというし、記念的に頑張ったのかな。ともあれ見応え感、満足感が凄まじいです。
北方ルネサンスどっぷりの150年間にも及ぶブリューゲルブランドの栄華ともいうのでしょうか、真反対なイタリア人とのコラボやらお花や昆虫に傾倒したり、北方らしく皮肉や理屈めいていたり細かな世界が面白かった。ゆっくり観れて札幌で訪れて正解でした。
さぁ、屋外美術館の彫刻観ながら散歩しようと。
https://artpark.or.jp/tenrankai-event/brueghel/

Thursday, August 16, 2018

art de vivre; 「建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの」

大学で建築を学ぶ学生は、まず日本の歴史について勉強するのだそうです。他の工学部系学科、例えば理工だったり電気だったりシステム工学だったりといった学生は、歴史ではなく未来や"今"にフォーカスするんだって。
今回は"建築な友"に説明をしてもらいながらこの展覧会を観ることができたので、建築にとって歴史や気候、文化がいかに大切なものであるのか、そしてどれだけ哲学的な思想の中で自然と向き合うものであるのかなど、その技術的な説明のサポートを受けながら色々考えることができました。いやー、本当興味深かった。
西洋建築と日本建築は何が違うのか、技術なのか表現なのか、閉鎖なのか浸透なのか。最近ちょうど日本人というのはビジュアル表現ではなく、言葉の表現に長けていたのかなぁなんて漠と考えいたのだけど、展覧会を回りながら、いや違うぞ、立体表現だったのか?とかも悶々と考えてみた。結論こそはでないけど、歴史に紐づいているってことは十分理解した。うん、面白い。
さて結構ながい期間でやっていた展示ですが、いよいよ会期は来月17日まで、1ヶ月となりました。ご興味ある方はぜひ。展示会場はゆったりしているから、見易いです。
日程:2018年4月25日〜9月17日
https://www.mori.art.museum/…/japaninarchitecture/index.html

Friday, August 10, 2018

art de vivre: 風俗画を見ながら、なぜ漫画とアニメが日本の代名詞になったのか考えてみた。

西洋美術史をたどって行くと、東インド会社設立などによってめちゃめちゃバブっていた17世紀のオランダで好んで描かれていた絵画ジャンル。掘り続けてみることによって世にも愉快で奥深い世界に導かれます。はい、毎度私が茶化しております北方ルネサンスな方々です。w
昨夜は春に訪れたオランダで会ってきたそんな風俗画をテーマに帰国中の先生のclassを受けてきました(脱線ながら先生と「あの時のホワイトアスパラ美味しかったねー」とか話し込んじゃったりして...苦笑)
毎度思うのですが、風俗画ってボケーっと見ているだけで面白いんですよね。描かれている謎を発見する喜びとでもいうのでしょうか。自国の名産品を入れたり、俺金もってんだぜ的にさりげなく調度品やら建築物を自慢しちゃったり、カルバン派プロテスタントであるが故の"女性とは"的な説教垂れメッセージを入れ込んだり、本当めんどくさい。だけど嘘がない。21世紀を生きている現代の私たちにとってもああああああああ、って思うことが実はいっぱい共有できてるってすごくないですか?
クソ高い家具の上にこれまたクソ高いツボとか乗せちゃってるとかってさ〜、地震もないしオランダ人でかいもんなーとか思うわけですよ。家具一つ見ても、何せごつくてでかいの作っているんだけど、細かな掘りの技巧とかは凄まじかったり高価な黒石とか使っちゃってるんだよね(ちなみにこれが、イタリア行くと技術というよりカラフルになるし、フランス行くとブルボン朝なキラキラ光る取手とかになる)。
そんなことを思いながらもう少しだけ考えてみると、当時のオランダ人にとって絵画は"メディア"であって、時空を超えて自分たちの生活を私たちに知らせてくれているのかもしれないな、と思う。自己表現とでもいうのかな。同じ西洋でもイタリアやフランスもそれもあるかもだけど、家具の例から推察するしかないというか....そもそもこの17世紀になってもイタリアでは宗教画を描いて頭に輪っか乗せてるし、実のところはわからないよね。だって、残ってないんだもん。じゃあ、日本人は?
日本にとっては、西洋のようなビジュアルの世界ではなくて、言葉の世界が表現方法だったのかもしれない。俳句や短歌といったものは、海外にはない文化であり、素晴らしい表現方法であり、そこには生活や四季がある。だけど世界的には全くをもってメジャー級ではないのはなぜか。だって言語文化が違うんだもんね。だからビジュアル重視で彼らにとって理解しやすかった「漫画やアニメ=日本の代名詞」と捕らえやすかったのかもなんて。考えすぎかしら?

Saturday, July 28, 2018

art de vivre: 「ミケランジェロと理想の身体」

ルネサンスの巨匠、ミケランジェロ。スペイン内戦で破壊されたものの修復が昨今成功した作品と併せて、2点の彫刻が今回来日中でございます。正直、これはたまらなくすごいことなのだけど、展覧会的としては地味...ではあるかもしれない。どちらかというと、国内で彼の作品はヴァチカンにある"最後の晩餐"や"システィーナの天井画"といった色彩豊かなものの方が有名だもんね。
とはいいつつ、本人も晩年言い残したように生涯彫刻家であり続けた彼は本当に天才。表現方法をどんどん変化していたという意味では、後世におけるピカソ(彼は画家だけど)と一緒だね。
22歳作品"ピエタ(ヴァチカン)"は大理石ということを忘れてしまう技能と生々しすぎる美しさで正直怖いくらい。その一方で息絶える6日前まで手を入れていたといわれている"ロンダニーニのピエタ(ミラノ)"はあらゆる方向に堀跡が見えるし、観客として向き合っていてもどこか人間臭くホッとする気がしました。そこには彼の苦悩があったのでしょうか?それとも掘りながら、神に近く何かが見えたのでしょうか。
今回の展覧会。アポロとヨハネの展示があります。どちらも初対面の作品でしたが、個人的にはアポロの前では動けなくなりました。説明できないんだけど、目が離せないって感じ。これ...引っ越し公開ではなく、現地で観たかった(苦笑。
さて、お伝えしたように正直そこまで混んでません(来訪者の滞在時間が短いのかもしれない)。だからゆっくり観ることができますよ。開催は9月24日までです、オススメなので是非。
(*写真二つは、現地に訪れた時のもので今回は来日してません。悪しからず....)
http://michelangelo2018.jp/index.html

Saturday, July 21, 2018

art de vivre: 「ルーヴル美術館展 肖像芸術——人は人をどう表現してきたか」

日本人は"ルーブル美術館"が好きだ。毎年なんだかんだと必ず都内のどこかで"ルーブル展"が開催されているってことで、個人的に勝手にそう思っていたりする。実際、展覧会は平日夜だというのに大混雑だし...。ぶぶぶ
が、しかし。今回のルーブル展はいつもの印象派ばかりの展示と切り口が異なっていて、個人的には興味深かったというのが観に行った最初の印象。肖像芸術、かなりマニアックなテーマでほぼほぼ彫刻やらマスクがメイン、絵画はあまり来日しておりません。実際にルーブルに行ってもほとんど観光客は絵画の方にばかり足を向けているので、ガラガラな古代エジプトやギリシャ、彫刻部門に力を入れて持ってきたんだな、と逆に関心してしまいました。w

そういう意味においては、テーマに則ってあの広いルーブルをグルーっと見ることなくサクッと見ることができる縮小版といった形だったので週末夜にちょうどいい感じの展示でございました。
ご興味あれば是非。9/3までです。
http://www.ntv.co.jp/louvre2018/




Wednesday, July 18, 2018

art de vivre; AVEC ELLE-彼女と。

体験型展覧会と聞いて、早々に足を運んでみた。勝手に3月にN.Yで体験した「Sleep no more(https://youtu.be/k12NZLh_Xvg)」的なものを期待していたけれど、やっぱりそこまで突き抜けてはいなかった(そりゃそうか。笑)というのが正直な感想。とはいえ、日本国内で体験かつ実は本シーズンの新作発表を兼ねているという仕掛けを行ったのはとても興味深かったです。やっぱりluxuryブランドの余裕だよねぇ(羨ましい...ムムム)。
さて、この展覧会期は30日まで、しかも今日から第3期 (7/25-7/30) の予約が開始となっていることもあって、あまりネタバレ的なことを書くのは避けておきますが、ファッション好きだったり映像制作とかに興味ある方は是非足をお運びくださいませ。舞台裏を覗き見できるし、ワクワクしますよ。
〈国立新美術館 企画展示室2E〉
7月11日~30日。10時~18時、金曜・土曜~21時。火曜休。無料。予約制(予約は特設サイトにて受付中)。
主催:エルメス、国立新美術館
https://hermesavecelle.maisonhermes.jp/