Friday, September 23, 2022

「新章 パリ・オペラ座 - 特別なシーズンの始まり-」

このドキュメンタリー映画のベースになっているヌレエフ版『ラ・バヤデール(以下、バヤ)』。この演目には2つの思い出があります。

一つめ。初めて現地でパリオペを観た演目がバヤ。自分でも笑ってしまいますが、その時のエトワールの誰が踊っていたのかは覚えていないのですが(爆)、当時プルミエールだったMarie-Agnès Gillot(2004年にエトワール任命、2018年退団)の"ガムザッティ"演技と踊りに魅了されて号泣してしまったことが思い出されます。
二つめ。遡ること大学時代。(熊川)哲也くんがロイヤル・バレエ入団直後に来札して、ブロンズアイドルを踊ったんですよね。回転が早かったのかなんなのか、その時彼のズラが吹っ飛んでついつい笑ったこと、そして初めて見るバヤに大感動してこれまた泣いたこと。いや、、、それほどこの演目は素晴らしいのですよ。最近では日本でも全幕上映されることも増えましたがなかなか観られる機会がないかもですが...。
前置きが長くなりましたが。
そんなこんなで、今回のドキュメンタリー映画を観ながら後半は泣けてしまってやばかった。しかもこの時の無観客オンライン配信の舞台、、、私観てたんですよねぇ。だからあの時のダンサーたちの想いとか舞台裏を知ってこれまた涙涙。あああああ、本当リアルでしか味わえることがない観客との一体感とかあるよな、、って。ううう、思い出してもまた泣けてきます。
前半のリハーサルシーンも秀悦。コロナ禍でジャンプやリフト(男性が女性を持ち上げる動き)を数ヶ月もできなかったダンサーたちの言葉や不安の言葉など、心を打ちました。拍手がない舞台がどれだけ辛いかって想いや、ダンサーたちの絆とかいろんなことを感じました。あああああ、よかった!!
バレエ好きではない方にもオススメ。食わず嫌いなくご覧になってみてください。

Tuesday, September 20, 2022

「Immersive Museum」


没入型アートというとこの数年世界的にも流行りですよね。私が一番最初に体験したのは、2018年4月にParisでオープンした「L'Atelier des Lumières (https://www.atelier-lumieres.com/)」 でしょうか。いつもお世話になるアパートメントの近所にあるので、渡仏すると一度はお邪魔するお気に入りのスポットです。広い空間の中、壮大な音楽に合わせてみられる映像の数々。テーマによって全然違う姿や発見があって面白い。

ということで今回、日本初と銘打っている没入型体験ミュージアム「Immersive Museum- "印象派"IMPRESSIONISM」にお誘いいただきお邪魔してきました。日本人が大好きな印象派をどう解釈して映像化しているのかも気になったしね。
で...感想。

まずはすごい人気なんだな、ってことに驚き。決して安くないだろう入館料だというのに事前予約で全て売り切れ。当日券は夜遅めの回じゃないとダメらしくて私が伺った時間でもお断りされる方々も。次に連休だったからなのかな、お子様連れが多かったのもびっくり。とはいえ、かわいそうに飽きていて走り回ってたけどねぇ...。同じように客層でいうと、写真が撮りたくてきたのだろう女子の多さにもびっくり。映像みないでスマホのぞいていたからきっとソーシャルでもupしているのでしょうか?本当すごいエネルギーですよね、彼女たち(笑。
さて....真面目に感想。
色々なシーンをまるで紙芝居のように映像を転換させていくっていうのは面白い切り口だと思いました。入場と同時にいただけるパンフレットを見ながら復習しましたが、美術館に入っていく人々の映像から展覧会へのナビゲーション、画家たちの技法を紹介している映像や二次元表現を三次元表現にして絵画の中に導かれるものとか、最後のまとめとして画家たちの肖像画を紹介していくとか、、、とても日本的だなと思いました。他国だったらどこから始めってどこで終わるかなんてよくわからないスタイルだからね。
あと、ソファがきちんと用意されているのも興味深いな、って思ったかな。カップルシート的なイメージなのかしら?
ともあれ、日本的解釈がこうなるってことを観察できたことも興味深かったです。
ただ個人的好みを言えば、もっと全体的に暗い方が没入できるだろうなーって思ったし、ソファを用意して寝っ転がってというなら天井含めてマッピングあったほうが楽しめる気がしました。子供たちも多かったから退屈で走り回ったりしてる姿が視界に入ったり、音楽がちょっとアンビエントな感じだから、どうしても現実に連れ戻されてしまう。ここら辺がもったいないな、と。まー、初の試みでもあるし、次回に期待したいところです。
どちらにせよ、最後の最後の仕掛け絵画やお土産売り場のラインナップ含めて楽しめました。