Sunday, September 26, 2021

Pourquoi j'aime l'art(アートが好きな理由)

北方ルネサンス(現在のオランダやベルギー)の絵画はびっくりするほど緻密で写真のようだし、フランスはロココに代表されるような甘美な世界が好まれたんだなってほど可愛らしい女性像がそこにある(きっと男性が憧れた女性像に違いない、実際はそんなフランス女性いないから!!笑)。イタリアは"LEON"の世界ごとくイケメンかつ筋肉ムキムキな男性像が描かれるし、ドイツに至ってはやっぱり生真面目でそしてゴツイもの(人も描写される対象も)が好まれている。ステレオタイプで申し訳ないけれど、やっぱり現在の人と繋がっていると思うんですよね。

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昨年破綻した"米ブルックスブラザーズ"のロゴの意味ってご存知?ちょっぴり不気味に感じる"吊るされた羊"はもともと「金羊毛騎士団」と呼ばれたフランスのブルゴーニュ公フィリップ3世によって作られた騎士団の紋章で、その後スペインハプスブルグもこれを(勝手に)受け継いだからめちゃめちゃ絵画に登場します。どんな流れでブルックスブラザーズがこれを採用したかは知らないのですが、最初にこのロゴ見たときに「ひょーっ」思ってしまったのは確か。だけど、こういう小咄面白くない?
あと宝飾品とか工芸品の観点でいくなら、イタリアやフランスってシャンパーニュグラスやヴェネチアンガラスもそうだけど、めっちゃ華奢なんですよね。でもドイツ行くといきなりビアジョッキになるわけでしょ(笑)。絵画で見ても、ドイツ画家が描いた作品って「首が折れまっせ」というくらいの重みがあるジュエリーしてるの。気にしてみたら超面白い。
服飾の世界で言うと、レースの甘美さとかフランスはやばい。ポンパドール夫人の肖像画とかに出てくるレースなんて今も欲しくなるくらいのクオリティなんだけど、これまた北方ルネサンスに行くとこれが合理的な裏地が毛皮(ま、寒いのだろうけど)になったりとかしちゃうわけよ。しかも当時の自分たちの売り売り産業だったものを描いちゃう。これってつまり広告ポスターのはしりよね?
さらにマニアックなことを言うと「ああ、まだパターンを起こして洋服を作る技術がなかったんだー」ってわかるような切り込みスタイルとか描いちゃってるの。上着に切り込みを入れて動きやすくすることによって、中にきている服(インナー)をチラ見せちゃうっていうオシャレ技術。きっとその時代の1つの流行だったのかもしれないよね。でもフランスの場合は生地の方な訳。お金かけたくないから反物(印刷された生地)ができたのは他国よりも早かったとか。
       
ここのところ(海外へ)お出かけできないので都内で展覧会を回りまくっていたら、「なんでそんなにアートが好きなの?」「最近どうした?」って地味に疑問に思う方も多いらしく。
私は、その絵画や彫刻とかがどうだなんて全く批評はできないけれど。はるか昔から残っている世界と繋がって現在を理解することが好きなのだろうなってことは自覚しています。それによってもっと相手を理解できるのかもしれないなって思うからね。
コロナ禍で生き方や生活スタイルが変わったって言われることも多いけれど、人は本質的には変わらないって思うんですよ。人が本来何を求めているかってことを突き詰めたら、きっとそんなスタイル的なってことは表面上なことでしかないんです。だって、500年前の絵画が教えてくれますから。
要は...手法は変わっても描きたいテーマは変わらないってこと。どうやって生活していくかは変わっても、生き方は変わらないってこと。私はこの変わらない部分がやっぱり好きだから、今日もまたアート漬けになっているのかもしれない。せめて頭の中で旅くらいさせてくれ。爆爆爆

Friday, September 24, 2021

「マルジェラが語る“マルタン・マルジェラ”」

 休日の〆は、映画鑑賞へ行ってきました。

創業者でデザイナー、常に時代の先を見据えて服の概念を壊し続けたマルタン・マルジェラ。多くのファッション業界の大御所たちが絶賛しまくるというのに、たった10年で引退してしまった人。そしてキャリアを通して一切公の場に姿を現さず、匿名性を貫いた人。そりゃ、気になるわけですよ。

ドキュメンタリー映画として彼本人が語りつつ(声の出演)、彼が発表したコレクションを追う形で進むあっという間の90分。最後に何故彼がファッション業界から離れたのか、そして今何をしているのかも語られています。それがちょっとだけわかるって思ってしまう自分もいて、、、(烏滸がましいのを承知してます)。

とてもよかった、オススメです。

Sunday, September 12, 2021

「人間は醜い、けれど人生は美しい」

2021年、トゥールーズ・ド・ロートレック(1864.11.24~1901.9.9)が、没後120年となりました。

昨年はラフェエロが没後500年、一昨年がミケランジェロが没後500年。コロナ禍でなければ、間違いなく南仏アルビ(彼の生まれ故郷)で行われているであろうイベントに参加していただろうなぁ(苦笑。

ロートレックというと、いわゆるムーラン・ルージュの踊り子を描いた広告的版画が日本では有名ですが、生い立ちとしては中産階級のボンボンだというのに、病気のために背が伸びず(16歳での2度目の骨折が致命的)コンプレックスを抱いて生きていてさらには早死(36歳!)にしてしまった人。なんだか報われないというかなんというか。切ないエピスードしか出てきません。

とはいえ、時代は世紀末。生まれた翌年には「第一回印象派展」が開催され、ベルエポックやらガルニエ宮建立など華やかさ真っ盛りのパリ。華やかさの裏側にある労働階級に視点を持っていた余裕というのは、ボンボンの彼ならでは(そういう意味ではドガも一緒だね)なのかもしれません。
意外と知られていない唯一描いた自画像やゴッホの肖像画(パステル調なのが興味深い)、決してこちらをみないモデルたち。
実はロートレックの面白さとは、版画ではないところにあるのではないかしら。

Sunday, September 05, 2021

植松電機

植松さんの言葉は、いつも頭を殴られてような気持ちになる。

変化が早い時代だからこそ、自分たちの勝手なる常識をアップデートしていかないと、大人が社会や教育のボトルネックになっているんだね。
自分への戒めとして。

子どもを苦しめているのは、昔の常識を教える大人 植松努氏が実感した、日本教育の世界との“ズレ”
https://logmi.jp/business/articles/324932

植松さんのTedは以下から
https://youtu.be/gBumdOWWMhY