Wednesday, December 01, 2021

「ダヴィンチは誰に微笑む」(2021/仏)

13万円で購入された絵が4年の間に510億円へ。アート業界の闇やら商業ビジネスの恐ろしさ、国家問題にも発展しそうな石油戦略に国家と権威の思惑の行き交い。さながら作り込まれたハリウッドミステリー映画をみているかのごとくの100分間のノンフィクションムービー。超面白かった!よくこれ撮影したなぁ...と思える登場人物たち(大統領とか皇子、ディカプリオに出演料払っているのだろうか....)や、様々な立場の人たちのインタビューは、それぞれの思惑を見え隠れさせなんともドキドキする。

しかもすごいのは、この論争は今も続いているってこと。ほら、先月15日にプラド美術館から「本作はレオナルド自身の作では無い」という見解を発表したって記事なっていた(▶︎https://bijutsutecho.com/magazine/news/headline/24843) し、このミステリーの渦中に私たちはいるんだよなって。ひょえ

後半に出てくる2019年にルーブルで開催されたダヴィンチの回顧展に、この子はいなかったのだけれど、あの時に裏でこんなストーリーや駆け引きがあったとは知らなかったから、これまたうぐぐ...と。すげーなー、アート業界!!

今年のフランス映画祭でも公開になっていましたが、アートに興味がある人だけではなくて、ビジネスに興味がある方や各国の文化比較とか、単にミステリーが好きっていう人含めて、いろんな人が見て楽しめる一本です。

ちなみに私は特に"フランスという国が持っている文化的なプライドと、アメリカのマーケティングというビジネス手法を確立したパワー"、という差異が明確に出ていたなということに非常に興味を持ちました。

まだ公開されたばかり。ぜひ!!▼「ダヴィンチは誰に微笑む」
https://gaga.ne.jp/last-davinci/

Wednesday, November 03, 2021

Nakagin capsule tower

黒川紀章氏が設計、1972年に竣工した中銀カプセルタワーの見学へ行ってきました。メタボリズム思想の建物として有名なこのビルですが、いよいよ来年には取り壊しが決まったという報道を見て、これはその前に見に行かなきゃと夏頃に予約してようやく本日。いや〜、いろんな意味でぶったまげました。

50年近く前にこのカプセル発想していた黒川氏の構想がまず凄いよね。「数年先ではなく100年先を見据えた世界を自分は見ている」と生前話していたそう。確かに50年前にこんな建物作っていたら変人と言われるよなぁ。コンシェルジュとかカプセルごとの引越しとか、ノマド生活とか今の時代ならあるよなってことばかり。

一方で構想はいいけど、カプセルの新陳代謝、実は個別にできないじゃんっていう設計だったという事実と、地震が多い日本で“やっぱりこれ怖くない?“っていうぶら下がり仕様。あと、ご一緒してくれた隣の人曰く、高所恐怖症には耐え難い連絡通路。25年で取り替える前提が倍の年数だからしょうがないけどね。

とはいえ、、、館内で使われている書体や設備のカラー、昭和モードのデザインとSONY万歳時代の電化製品とか、超面白かった!
まだ暮らしている人が20人近くいるとのこと。そしてほぼ女性ですって、これまたすごいや。笑
外からしか見たことなかったけど、やっぱり実際体験する、見るって大切。ちょっとだけ昭和に思いを馳せた文化の日でございました!

Monday, October 25, 2021

Non-Violence Project(NVP)

ノン-バイオレンス プロジェクト(https://nvpjapan.or.jp/) 、ふとしたきっかけで昨年出会ったこの活動。この週末にトレーナー講座に参加させていただいたのですが"目から鱗がでる"経験の2日間でした。でもなんだろう....知識を得る勉強したっていうよりも、私自身が広がったというか深まったって感じです。

与えられる問いかけ対して、自由に発言しメンバーとシェアして、それを聴く(聞くではない)、メンバーの意見によって変化した自分の内面をまずは自分自身が受け入れて、そして相手に言葉にしていくという体験。明確な答えがなくていいという日本人が実は苦手としていることを1日めに痛感。ついつい「何が正解なんだろう?」って左脳が反応する自分に気づいて自分のことながらに興味深かったな〜。笑

そして言葉というか"単語イメージ"が持つニュアンスというか捉え方が意外と人の気持ちを左右するんだなってことも新しい気づき。単純な話ですが、この「ノン-バイオレンス(非暴力)」っていう単語だけでもすごく重たくて遠く感じるのではないかなって思うんですよね(こういうの学びにいくんだっていったら、難しそうだねって100%言われたし...爆)。でも言葉の解釈を素因数分解していったら、実は教育としてどこからも教わったことがないながら"人間として必要なことを考える"、シンプルにそれだけで、でもすごく重要なことなんだなって感じました。何も難しくないんだよなーって。

そういう意味ですごく言葉の認識が、個々によってぶれるけど重要なものって他にもこんなものがありました。
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①セルフ・エスティーム(自己肯定感)
②セルフ・コンフィデンス(自信)
③コンフリクト(対立)
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「平和教育プログラム」という定義づけをされているこのプロジェクトには、2つのミッションがあるそうです。
①コンフリクトを平和的に解決する方法を若者や子供達に伝えること、教えること
②「平和と非暴力」の普及活動

でもね、ディスカッションしながら思ったんです。これって今の大人、ビジネスマンにとっても実感として為になる、いや考えるべきものじゃないかって。家族、夫婦、兄弟姉妹、友人、上司部下、同僚etc...。日々、私たちは誰かとのコンフリクトにぶち当たることが多いと思います。それを平和的に解決することができたら、どんなに素晴らしいでしょう。バイオレンス(暴力)って決して力だけではなくて、今だと言葉やペン(指か?)、振る舞いとか色んな種類があるものね。

2日間の学びを終えてちょっと感想をと思ったら、またまた語ってしまった(汗。
でも、このプロジェクトを是非知ってもらえたらって思ったからご容赦ください。そして少しでも興味持ってもらえたらHP訪れてもらえたら幸いです。

おまけ:N.Y国連本部前に展示されているこの彫像は“ノッテッドガン”と呼ばれるもので、世界中の約30ヶ所に設置されているこのプロジェクトのシンボルだそうです(*写真は2018年に訪れた時のもの...当時は知らずにいいなと撮影していたw)。
2枚目は私が描いた”ノッテッドガン”。話す(電話)と結び(赤い糸)をイメージしたもので描いてみました。

Monday, October 18, 2021

「テーラー 人生の仕立て屋(2020)」


NLPを学んだ時の恩師のオススメだったので、気になって週末に観てきましたが、これ超よかった!!

▼簡単なストーリー(ネタバレではございません)。
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高級スーツの仕立屋を父と営んできた寡黙な主人公が、ギリシャ不況によって倒産寸前に追い込まれた上に父親まで倒れてしまって途方に暮れるという話。彼が思いつきで始めた屋台仕立ての移動式スーツの仕立屋が、気づけばウェディングドレス作りまでやっちゃうことに人気店に!
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なんて書くとすごくHappyな感じでしかないのですが、ラストはヨーロッパ映画らしき結末です。でも、主人公の変化していく姿を通して、人と人とのつながりや人生の希望を感じることができた秀作だと思いました。

ご一緒した方は途中から「主人公は自分だ!」くらいな気持ちで感情移入していたみたい(笑。でもね、それちょっとわかるんです。おそらく父親に抑圧された思いのまま生きてきた主人公(他にも実は同じような人が出てくる)が人と触れ合い対話していく中でいろんなことを受け入れながら変化していく様は気持ちがいいのですよ。ああ、心を開いていくこと、自分の殻を破って前進することって本当に素敵なことなんだなって応援したくなる。そしてこれって、実はビジネスシーンにもあるんだろうなって感じたのですよね。

誰もが自分がやっている仕事やその進め方が正しいって思ってる。でも気づけば時代に遅れになっていることも多分にある。それは当然、だって人はちゃんと歳をとるのだから(苦笑。
私は遥か昔に自分がターゲットと外れていると思ってから、後輩ちゃんや信頼できる若い子たちに必ず"リトマス試験紙"として話を聞くようにしているものの(だって、無理なんだもん!アナログ女の私としてはさ。ぶぶぶ)、私はそれも異文化コミュニケーションとして楽しんでいても私よりも上の方たちの中では「Miyuは仕事をサボっている」とかいう人もいるんだよねー。ああ、めんどくさ。この映画見てみろよっていいたくなっちゃった。苦笑

なんて朝から長文になってしまった�
好きか嫌いかははっきりする映画なのかもしれないけれど、私はこんな主人公の生き方が好きです。

何歳になったって人は変化できる。だけど、自分が決めたらね!

「テーラー 人生の仕立て屋」
https://movies.shochiku.co.jp/tailor/

Wednesday, October 13, 2021

「目の見えない白鳥さんとアートを見にいく」

タイトルからして興味いっぱいのテーマ、且つ大好きな川内有緒 (Ario Kawauchi) さんの作品ということで、早速購入したものの気づけば1日で読了してしまった。それくらい"読んでよかった"一冊。彼女作品は私の中で外しません。

白鳥さんと筆者と一緒に美術館の旅に出かける度に、自分が知らない間に染み込むように持っている”偏見”や"思い込み"について気付かされます。それはもしかしたら悪いことではないかもしれない。だって幼少時代に日本人が何度となく教育の場で言われていた「不自由に人には優しくしなさい」「困っている人は助けなさい」という教えを忠実に守っているのだから。でも、実は相手はどう感じていたの?って話です。
合わせてコロナ禍で気付かされたことの1つ。私も当初楽しんだ(けど実は一時的だった。苦笑)海外美術館をネットで観れるというサービスのこと。白鳥さんは最初から観たいと思わないのですよね。筆者もなんで?って思ったと記載ありましたがやっぱりリアルの重要性を彼は感じていたことを知らされるんです。
これがこの本のテーマの根幹にあるんだなって思いました。
美術鑑賞って自分の経験から出来上がっていて、いわゆる舞台体験と一緒なんだろうなってことです。もちろん何百年も前に描かれた創造物がアート作品であってその作品自体が変化するわけではないけれど、「その時誰と観たかとか、どういう匂いがしていたのか、何を感じたのか」によって変化しているっていわゆる上書きで出来上がっていることを意識する、生まれ変わっているんだってこと。すごく納得してしまった。それは人と人の出会いと一緒でもあるんですよね。同窓会だったら「あの頃はさ」でいいけれど、限界が来る。何が大切かって、お互い色んな経験をして、上書きしていく出会いをしているかってこと。違うかな。
デジタルで見れるじゃん、確かにそう。デジタル経由で会えるじゃん、はい、それも正しい。
だけどやっぱり、あの時一緒にリアルにいて感じたこと、その時に盛り上がっていた話とか食べた食事の味とか匂いとか、全てが総合して記憶って出来上がっているから人は人と触れ合いたくなるのだと思う。
あ、またアナログ女、昭和女だって思ったでしょ。笑
いろんな気づきを与えてくれた一冊。おすすめです。

Sunday, October 10, 2021

「Gucci Garden Archetypes」展


ブランド創設100周年記念、これまで展開してきた広告キャンペーンの世界を体感できるという「Gucci Garden Archetypes(グッチ ガーデン アーキタイプ)」展をに行ってまいりました。これ今年5月にフィレンツェで開催されて好評だったと聞いたので楽しみにしてたのですが、、、。

正直残念!!!期待し過ぎた私が悪かったのかな。没入型というふれこみでもあったのでワクワクしてたらあれれ?って。うーん、広告表現が尖ってるからなのか、来場者がちょいと怖い感じの方が多かったからなのか、、、💦
ま、こんな日もある!お天気良かったし、水辺をお散歩できたから良しとしよう。🍺も美味しかったしね!
GUCCI GARDEN ARCHETYPES
期間:〜10月31日(日)
時間:11:00〜20:00
会場:B&C HALL- E HALL
入場料:無料(事前予約制)

Sunday, September 26, 2021

Pourquoi j'aime l'art(アートが好きな理由)

北方ルネサンス(現在のオランダやベルギー)の絵画はびっくりするほど緻密で写真のようだし、フランスはロココに代表されるような甘美な世界が好まれたんだなってほど可愛らしい女性像がそこにある(きっと男性が憧れた女性像に違いない、実際はそんなフランス女性いないから!!笑)。イタリアは"LEON"の世界ごとくイケメンかつ筋肉ムキムキな男性像が描かれるし、ドイツに至ってはやっぱり生真面目でそしてゴツイもの(人も描写される対象も)が好まれている。ステレオタイプで申し訳ないけれど、やっぱり現在の人と繋がっていると思うんですよね。

             ***

昨年破綻した"米ブルックスブラザーズ"のロゴの意味ってご存知?ちょっぴり不気味に感じる"吊るされた羊"はもともと「金羊毛騎士団」と呼ばれたフランスのブルゴーニュ公フィリップ3世によって作られた騎士団の紋章で、その後スペインハプスブルグもこれを(勝手に)受け継いだからめちゃめちゃ絵画に登場します。どんな流れでブルックスブラザーズがこれを採用したかは知らないのですが、最初にこのロゴ見たときに「ひょーっ」思ってしまったのは確か。だけど、こういう小咄面白くない?
あと宝飾品とか工芸品の観点でいくなら、イタリアやフランスってシャンパーニュグラスやヴェネチアンガラスもそうだけど、めっちゃ華奢なんですよね。でもドイツ行くといきなりビアジョッキになるわけでしょ(笑)。絵画で見ても、ドイツ画家が描いた作品って「首が折れまっせ」というくらいの重みがあるジュエリーしてるの。気にしてみたら超面白い。
服飾の世界で言うと、レースの甘美さとかフランスはやばい。ポンパドール夫人の肖像画とかに出てくるレースなんて今も欲しくなるくらいのクオリティなんだけど、これまた北方ルネサンスに行くとこれが合理的な裏地が毛皮(ま、寒いのだろうけど)になったりとかしちゃうわけよ。しかも当時の自分たちの売り売り産業だったものを描いちゃう。これってつまり広告ポスターのはしりよね?
さらにマニアックなことを言うと「ああ、まだパターンを起こして洋服を作る技術がなかったんだー」ってわかるような切り込みスタイルとか描いちゃってるの。上着に切り込みを入れて動きやすくすることによって、中にきている服(インナー)をチラ見せちゃうっていうオシャレ技術。きっとその時代の1つの流行だったのかもしれないよね。でもフランスの場合は生地の方な訳。お金かけたくないから反物(印刷された生地)ができたのは他国よりも早かったとか。
       
ここのところ(海外へ)お出かけできないので都内で展覧会を回りまくっていたら、「なんでそんなにアートが好きなの?」「最近どうした?」って地味に疑問に思う方も多いらしく。
私は、その絵画や彫刻とかがどうだなんて全く批評はできないけれど。はるか昔から残っている世界と繋がって現在を理解することが好きなのだろうなってことは自覚しています。それによってもっと相手を理解できるのかもしれないなって思うからね。
コロナ禍で生き方や生活スタイルが変わったって言われることも多いけれど、人は本質的には変わらないって思うんですよ。人が本来何を求めているかってことを突き詰めたら、きっとそんなスタイル的なってことは表面上なことでしかないんです。だって、500年前の絵画が教えてくれますから。
要は...手法は変わっても描きたいテーマは変わらないってこと。どうやって生活していくかは変わっても、生き方は変わらないってこと。私はこの変わらない部分がやっぱり好きだから、今日もまたアート漬けになっているのかもしれない。せめて頭の中で旅くらいさせてくれ。爆爆爆

Friday, September 24, 2021

「マルジェラが語る“マルタン・マルジェラ”」

 休日の〆は、映画鑑賞へ行ってきました。

創業者でデザイナー、常に時代の先を見据えて服の概念を壊し続けたマルタン・マルジェラ。多くのファッション業界の大御所たちが絶賛しまくるというのに、たった10年で引退してしまった人。そしてキャリアを通して一切公の場に姿を現さず、匿名性を貫いた人。そりゃ、気になるわけですよ。

ドキュメンタリー映画として彼本人が語りつつ(声の出演)、彼が発表したコレクションを追う形で進むあっという間の90分。最後に何故彼がファッション業界から離れたのか、そして今何をしているのかも語られています。それがちょっとだけわかるって思ってしまう自分もいて、、、(烏滸がましいのを承知してます)。

とてもよかった、オススメです。

Sunday, September 12, 2021

「人間は醜い、けれど人生は美しい」

2021年、トゥールーズ・ド・ロートレック(1864.11.24~1901.9.9)が、没後120年となりました。

昨年はラフェエロが没後500年、一昨年がミケランジェロが没後500年。コロナ禍でなければ、間違いなく南仏アルビ(彼の生まれ故郷)で行われているであろうイベントに参加していただろうなぁ(苦笑。

ロートレックというと、いわゆるムーラン・ルージュの踊り子を描いた広告的版画が日本では有名ですが、生い立ちとしては中産階級のボンボンだというのに、病気のために背が伸びず(16歳での2度目の骨折が致命的)コンプレックスを抱いて生きていてさらには早死(36歳!)にしてしまった人。なんだか報われないというかなんというか。切ないエピスードしか出てきません。

とはいえ、時代は世紀末。生まれた翌年には「第一回印象派展」が開催され、ベルエポックやらガルニエ宮建立など華やかさ真っ盛りのパリ。華やかさの裏側にある労働階級に視点を持っていた余裕というのは、ボンボンの彼ならでは(そういう意味ではドガも一緒だね)なのかもしれません。
意外と知られていない唯一描いた自画像やゴッホの肖像画(パステル調なのが興味深い)、決してこちらをみないモデルたち。
実はロートレックの面白さとは、版画ではないところにあるのではないかしら。

Sunday, September 05, 2021

植松電機

植松さんの言葉は、いつも頭を殴られてような気持ちになる。

変化が早い時代だからこそ、自分たちの勝手なる常識をアップデートしていかないと、大人が社会や教育のボトルネックになっているんだね。
自分への戒めとして。

子どもを苦しめているのは、昔の常識を教える大人 植松努氏が実感した、日本教育の世界との“ズレ”
https://logmi.jp/business/articles/324932

植松さんのTedは以下から
https://youtu.be/gBumdOWWMhY

Saturday, July 31, 2021

キース・ヘリング展

なんと美しい展覧会なんだろう。


誰もが一度は目にしたことがあるだろうキース・ヘリングのコレクション160点で構成された展覧会。コロナ禍で人々が疎遠になりがちな昨今、「アートを通じてコミュニケーションしたい」と語っていたヘリングを取り上げて、分断する人々の溝を埋めたいと企画されたそうです。

アートによって鑑賞者と対話することを楽しんでいた彼、新しい創造にワクワクしていた彼、そして誰よりも人と人が平等であることに注力していた彼。
緑いっぱいの芸森で新鮮な空気いっぱい取り入れてエネルギー与えてもらいました。ああ、来てよかった。

Wednesday, July 14, 2021

「アナザーエナジー」展

昨夜は森美術館で開催されているフリーナイト企画へお邪魔してきました。

世界14カ国で挑戦を続ける70代以上(最年長は105歳!!)の女性アーティスト16名の作品を集めた展覧会。いや〜、久しぶりに作品群たちにエネルギーを吸い取られて、なんとも言えない疲労感に陥りました。おばあちゃんアーティスト達、パワフル過ぎる!!

達観した人にしか見えない1ステージ上の世界とでもいうのかな。戦争、紛争、フェミニズムに民族迫害、病、加齢とか色んなものを乗り越えてきて、それでも創り続けたい、動き続けたいという気持ちがこんなにも人の心に刺さるのか、と感動もしたけど...いや、やっぱり疲れたが先。へっとへとじゃ(笑。

おばあちゃんアーティストの想いは強い。そんな彼女達の作品達のエネルギーに触れて、何かうまく言えないけれど大切なことを学んだ気がします。疲労感を抜けたらきっと力が出てくるはず。

このなんとも言えない疲労感を皆さまも是非。




 

Tuesday, July 13, 2021

「鶴の恩返し vs 美女と野獣」

絵画作品の比較はこの場でもよくぶつぶつ言っている私ですが、幼少時代に読む「おとぎ話」のエンディングというか構成が日本と欧州ではこんなにも違うんだな、と。

動物や精霊との恋愛ストーリー(昔話)は、欧州で言うならディズニーで有名な「美女と野獣」、バレエでは「白鳥の湖」とかでしょうか。大体の話が何らかの魔法やら呪いによって異種に変身させられていた王子が「真実の愛」によって人間に戻ってハッピーエンドっていう話かと思います。これはキリスト教の教えの中にある「動物支配」という考えに基づいていることに起因しているそうです。そしてこれら多くは男性が女性が異種であることに気づいても追いかけるのも特徴。興味深いです。

一方で日本の場合、ほぼ異類との結婚は破たんして終わるというのが特徴とのこと。例えば「鶴の恩返し」だと男性が見てはならないという禁忌を破ることにより、嫁がもとの姿に戻り男性のもとを去って行くというお話。悲恋ものですね。こちらはどちらかというと「別れの抒情性」に注力している(だから男性は「なんてことをしたんだー!!」と落胆するだけで追いかけない)という日本的思想があるのではないかと言われているそう。なんとなく納得しちゃいませんか?笑
自分が今生きている時代は、すごいスピードでどんどん変化しているなんて思い込んでいるけれど、実は何百年を経ても変わっていないもの、考えがあるんですね。それは教育の影響であるのか、生き方の違いなのか。面白かったので、もうちょっとここ掘ってみようと思います。

Monday, July 12, 2021

「サーリネンとフィンランドの美しい建築」展

アルヴァ・アアルトの仕事を紹介する「アイノとアルヴァ 二人のアアルト」展に訪れて北欧デザインに改めて感銘を受けた私。何やらフィンランドのモダンデザインの原点を築いたというエリエル・サーリネンの展覧会が開かれるということで、早速訪問してきました!

サーリネンは共同設計者だった友人と共作で1900年パリ万国博覧会フィンランド館の建築を行うという素晴らしいデビューをした後、他国での仕事も行なった一方で、自国の静かな自然を愛し、郊外を拠点に仕事を行なうのが基本姿勢だったそうです。
彼の作り出す北欧デザインに自然との調和を感じ、なんだかホッとする何かを感じるのは、同じく自然とともに生きてきている日本人だからなのかもしれないなんて思いました。優美であるけど、なんかほっこりするんだよね😊

小さめの美術館なので正直物足りなかったけど、楽しめました。まだ会期は始まったばかり。北欧デザイン好き、もしくは建築好きな皆さま、おすすめですよ!
おまけ>>日本初の横浜〜新橋を通った駅舎が汐留にあるなんて!何十回と通っていたのに初めて知りました。言われてみたら確かに、、、こりゃ駅だ💦

Sunday, June 13, 2021

「HOKUSAI」(2020)

正直いうとちょっと難しかったけれど、これは新しい形の時代劇映画かもしれない、と思うことにした。

カメラワーク、細かな人物描写、色彩表現、本格的なダンスシーン等とてもインパクトがあるし、北斎の特に若い頃の夫として、そして父親としての葛藤と愛情表現とか非常に新しさを感じました。一方でストーリー展開としては北斎の若かりしき頃から老年期までを4段階に分けているのだけれど、これ....私みたいな歴史に疎い人間にはちょっと難しいかな、とも思う。細かな説明は一切ないので。苦笑
ということで、これはART映画として観ることにするとすんなりと。二人の役者、柳楽優弥さんも良かったけれど、それ以上に田中泯さんの目ヂカラとこちらに訴えかけてくる凄まじさが心に残ったかなー。
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人はなぜ絵を描くのか。作品は人を動かすことができるのか。
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絵を描くということは"命がけ"なのだということを、先日のやまと絵のドキュメンタリー同様に感じた作品。興味深かったです。
追記>ご一緒した方の観終わった後、最初のコメントが面白かった。「キャスティングが電通だったね。やっぱり赤坂ではないよなーってラインナップだった」。ねぇ、そこ?笑

Sunday, May 30, 2021

art de vivre: Casa BRUTUS

不思議なタイミング、今月号は「岡本太郎」特集でした。過日、映画を観たばかりしかも、"太陽の塔塔"が表紙だったのでついつい購入。今更ながら私の中で岡本太郎ブーム始まりました(笑。昨夜も「縄文人 or 弥生人」話で盛り上がったのだけど、"槍を持って走っている"イメージだった縄文文化が妙に熱い熱いリアルなものに。何だか不思議だね。

              

「お嬢は計画的にコメ作って食ってんじゃなくて(弥生)、槍もって無作為でも獲物狙って走り回ってる(縄文)タイプなんだよ」と札幌時代にお世話になったAgencyの方に言われたことがありますが(今、思い返してみると彼は20代の私に暴言を吐いていた気がする...)、やっぱり私は縄文人気質でずっと走っているのかもしれない。

一周回って"岡本太郎"いいです!やっぱり「太陽の塔」見に行かなきゃだな。

Sunday, May 16, 2021

Matchmaking AI(AIお見合い)


友人と話をしていてちょっと面白かった恋愛(?)ネタ。

最近のマッチングお見合いはかなり積極的にAIを活用しているところが多くって、これはつまりビックデータ活用だよね、なんていうのが元々の話の発端。地味に笑っちゃうのだけれど、転職エージェントがマッチング会社を同時に行なっていて(私のところにもよく案内が来る。w)、確かに登録時に提供している情報って「お見合い」データの2次活用に向いているな、と。
で、究極的にAIが導き出した質問は2つなんですって。
このYES or NOである程度二人が合うかどうかの傾向を導き出せるらしいです。ということは、今後会った人にはまずこれを聞いたらいいってこと?
1)あなたは一人旅をしたことがありますか?
2)あなたはホラーやスプラッター映画が好きですか?
ちなみに私は、
1) YES→余裕
2) NO→残虐系は基本苦手
皆さま、ぜひお試しあれ。

Wednesday, March 03, 2021

「ゼロからトースターを作ってみた結果」

村上隆さんがclubhouseで話題にされていた一冊。タイトル通り〝ゼロからトースターを作る”工程が書かれています。だけど、このゼロから発想がそこから!?って感じで、鉱山に行ったり、炉を作ったり水を電気分解したり…と著者が悪戦苦闘。それズルじゃんみたいなこともありつつながら、一応完成を向かえるドタバタ劇。かなり面白く読みました。

一方で、私たちが溢れるモノに囲まれながらも「これってなんだろう?」「背景に何があるのだろう?」という想像力への働きかけを忘れていたことも痛感。小学生の夏休みの自由研究ってこういう理由とはこういう事だったよね、なんて思い出しました。
しかし私たちは他人に依存して、不条理の中で生きているってことだよねって、最後はしんみりと、、、。良著でした!

Tuesday, March 02, 2021

Les mots sont le pouvoir. Les mots ne sont pas de la violence...(言葉は力になる、暴力じゃない)

 

「詩人になりたいわたしX(https://www.shogakukan.co.jp/books/09290588)」を拝読。

正直読みながら震えがきました。これYA、つまりジュニア向けに書かれた本なわけですが、主人シオラマを取り巻く呪縛のような根深い課題がガツンと来すぎて、なんて私の環境はあまやかされているのかと、、、。森氏発言どころじゃない、、、某企業で男尊女卑でかなりやられたことあったけど少なくとも両親はそんな気質が破滅的にない人でそんな彼らに育ててもらったから辛い言葉を書き殴る必要なかったから。だから読み進めながら痛くて痛くて、苦しくて苦しくて。

改めて言葉は凄いね、彼女が描いた口にした言葉は間違いなく力になもの。だけどね、昨今の我々の言葉、特にソーシャルは傷つける刃物になりうるものばかりじゃありませんか?
今回一気読みしたけどゆっくり出会いたい一冊。多感な時期を忘れたくない、まさかYA本にこんなにドキドキさせられるとは、、、。

Monday, March 01, 2021

「小村 雪岱 スタイル」

西洋美術傾倒の私は、日本画は正直わからない(日本人の癖に、、、)ので、お誘い頂けると嬉しいものです。で、行ってきました、三井記念美術館!話しながらの鑑賞、超楽しかった。

美術館は結構一人で行っちゃうけど、こうやって相手視点を聴きながらも楽しいもんだね。今更の美術鑑賞再発見?今年は日本美術トライしてみよう!
http://www.mitsui-museum.jp/exhibition/index.html