世紀末を舞台に、モネやルノワール、ロートレックといった画家からパスツール、キュリー夫人などの科学者、エッフェル、プルースト、ドビュッシー、エマ・カルヴェ、サラ・ベルナールなど当時のパリで活躍していた著名人多数出演。「これはあの人だよね」なんて答え合わせしながら楽しみつつも、実は自分が想像していた以上に提示される社会問題が現代に(フランの今に限らず世界的にね)通じるものがあるんだな〜、なんてend rollを見ながら考え込んでしまいました(そもそも、主人公のディリリがパリ博で"展示"されていたところから物語は始まるしね...。実際そういう歴史があったらしいもんね。信じられない)。
世紀末のパリのなんとも言えないアンニュイとした空気感やそこで活躍する人たちにディリリと一緒に出会いながら(そこらへんの感じは「ミッドナイト・イン・パリ」に通じる)、ちょっとした脳内旅行。多様性を受け入れる心や誰かが誰かを虐げる構造に問題提起をした上で、エンターテイメントとしてもハッピーエンドに結ぶべく虐げられた人たちに手を差し伸べた終わり方を描くミシェル・オスロお爺ちゃん監督。素晴らしいです。
ただね、最後の最後のディリリの表情が気になったの。もし観た方、これから観た方でもいいからこの最後のカットの会話しましょー。
パリ好き、アート好き、歴史好き、社会問題への興味を持っている方には是非。まだ始まったばかりです。
オフィシャルサイト:https://child-film.com/dilili/