Friday, August 31, 2018

art de vivre; Impressionists in London - French Artists in Exile 1870-1904 -

昨夜はMie先生の夏最後の講義。テーマは"Brexit"をアート視点からというもの。来年3月のことなんだもんなぁ...。あの投票が2016年の6月の出来事だったと思い返すと早いなぁと思う反面、直前になっている今、日本ではあまり話題になってもいないってのも確か。EC諸国ではどうなんだろう。
そして全く知らなかったこと、普仏戦争でParisが多大なる被害を受ける戦場となっていたこと。それによって多くのアーティストがLondonに逃亡していたということ、しかもNo Visaで...これって今の時代にEU脱退を決めたことによって「移民や難民を受け入れたくないんだろ?」って叩かれているイギリスって国を改めて考えるとどうなんだろ?受け入れた歴史ある...よね?
そしてその難民となって30代の時にイギリスに受け入れてもらっていたモネ。だからモネは晩年にあんなにウエストミンスターを描いていたんだーっとか、始めたわかった。60歳すぎたおじいちゃんだもの...そりゃ懐古的になるよな。
大規模な展覧会は大体5年くらい前に計画するので、そういう意味ではこの展覧会を企画した段階で、よもやイギリスがEUを離脱するなんて誰も思っていなかっただろう。そういう勘とかセンスとか、テートモダンって奴はやっぱりすごいんだと思う。そんなことを改めて教わった昨日の時間。ああ、やっぱりアートは面白い。
https://www.tate.org.uk/…/ey-exhibition-impressionists-lond…

Saturday, August 18, 2018

art de vivre ; ブリューゲル展

東京で見逃してしまったので、早起きして芸森まで参りました。個人蔵のオンパレードで100点以上、もしかしたら私が生きてる間にもうこんなにブリューゲル一家をまとめて観れる機会なんてないんじゃないんだろうか。パパブリューゲルが亡くなって450年だというし、記念的に頑張ったのかな。ともあれ見応え感、満足感が凄まじいです。
北方ルネサンスどっぷりの150年間にも及ぶブリューゲルブランドの栄華ともいうのでしょうか、真反対なイタリア人とのコラボやらお花や昆虫に傾倒したり、北方らしく皮肉や理屈めいていたり細かな世界が面白かった。ゆっくり観れて札幌で訪れて正解でした。
さぁ、屋外美術館の彫刻観ながら散歩しようと。
https://artpark.or.jp/tenrankai-event/brueghel/

Thursday, August 16, 2018

art de vivre; 「建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの」

大学で建築を学ぶ学生は、まず日本の歴史について勉強するのだそうです。他の工学部系学科、例えば理工だったり電気だったりシステム工学だったりといった学生は、歴史ではなく未来や"今"にフォーカスするんだって。
今回は"建築な友"に説明をしてもらいながらこの展覧会を観ることができたので、建築にとって歴史や気候、文化がいかに大切なものであるのか、そしてどれだけ哲学的な思想の中で自然と向き合うものであるのかなど、その技術的な説明のサポートを受けながら色々考えることができました。いやー、本当興味深かった。
西洋建築と日本建築は何が違うのか、技術なのか表現なのか、閉鎖なのか浸透なのか。最近ちょうど日本人というのはビジュアル表現ではなく、言葉の表現に長けていたのかなぁなんて漠と考えいたのだけど、展覧会を回りながら、いや違うぞ、立体表現だったのか?とかも悶々と考えてみた。結論こそはでないけど、歴史に紐づいているってことは十分理解した。うん、面白い。
さて結構ながい期間でやっていた展示ですが、いよいよ会期は来月17日まで、1ヶ月となりました。ご興味ある方はぜひ。展示会場はゆったりしているから、見易いです。
日程:2018年4月25日〜9月17日
https://www.mori.art.museum/…/japaninarchitecture/index.html

Friday, August 10, 2018

art de vivre: 風俗画を見ながら、なぜ漫画とアニメが日本の代名詞になったのか考えてみた。

西洋美術史をたどって行くと、東インド会社設立などによってめちゃめちゃバブっていた17世紀のオランダで好んで描かれていた絵画ジャンル。掘り続けてみることによって世にも愉快で奥深い世界に導かれます。はい、毎度私が茶化しております北方ルネサンスな方々です。w
昨夜は春に訪れたオランダで会ってきたそんな風俗画をテーマに帰国中の先生のclassを受けてきました(脱線ながら先生と「あの時のホワイトアスパラ美味しかったねー」とか話し込んじゃったりして...苦笑)
毎度思うのですが、風俗画ってボケーっと見ているだけで面白いんですよね。描かれている謎を発見する喜びとでもいうのでしょうか。自国の名産品を入れたり、俺金もってんだぜ的にさりげなく調度品やら建築物を自慢しちゃったり、カルバン派プロテスタントであるが故の"女性とは"的な説教垂れメッセージを入れ込んだり、本当めんどくさい。だけど嘘がない。21世紀を生きている現代の私たちにとってもああああああああ、って思うことが実はいっぱい共有できてるってすごくないですか?
クソ高い家具の上にこれまたクソ高いツボとか乗せちゃってるとかってさ〜、地震もないしオランダ人でかいもんなーとか思うわけですよ。家具一つ見ても、何せごつくてでかいの作っているんだけど、細かな掘りの技巧とかは凄まじかったり高価な黒石とか使っちゃってるんだよね(ちなみにこれが、イタリア行くと技術というよりカラフルになるし、フランス行くとブルボン朝なキラキラ光る取手とかになる)。
そんなことを思いながらもう少しだけ考えてみると、当時のオランダ人にとって絵画は"メディア"であって、時空を超えて自分たちの生活を私たちに知らせてくれているのかもしれないな、と思う。自己表現とでもいうのかな。同じ西洋でもイタリアやフランスもそれもあるかもだけど、家具の例から推察するしかないというか....そもそもこの17世紀になってもイタリアでは宗教画を描いて頭に輪っか乗せてるし、実のところはわからないよね。だって、残ってないんだもん。じゃあ、日本人は?
日本にとっては、西洋のようなビジュアルの世界ではなくて、言葉の世界が表現方法だったのかもしれない。俳句や短歌といったものは、海外にはない文化であり、素晴らしい表現方法であり、そこには生活や四季がある。だけど世界的には全くをもってメジャー級ではないのはなぜか。だって言語文化が違うんだもんね。だからビジュアル重視で彼らにとって理解しやすかった「漫画やアニメ=日本の代名詞」と捕らえやすかったのかもなんて。考えすぎかしら?