Sunday, October 26, 2008

「開き直り」の技術

どうやら2000年に発刊された本。ということは、8年前に私はこれを読んでいたということにちょっとびっくりしながら、この週末に実家に戻って発見し懐かしさを覚え、開いた一冊。久しぶりに読んでみると、はてさて私は何を感じるか・・・なんて興味あったりして(w。

さて最近、「お一人さま」本でちょっと有名な上野千鶴子氏。この本はその彼女の元で「ジェンダー論」を学んだ著者が在学中に卒論(いや、卒業エッセイ?)のごとく書いたもの。上野氏のもとで学んだ3年間を驚愕と学びの時期と位置づけて展開する、どこかノンフィクションめいた内容は興味をもてることはもてたりする。ま~、一方で「タレント的かつ私的な」部分もあるので、批判する人はいるだろうなぁと思うものの、私としては今回も意外に楽しめたかなぁ。8年という月日はどこか懐かしいところも感じる部分もあるけれどね、時代って怖い。。。

今回読んでみて、気になったのは2つ。タイトルにもかいた「開き直り」の技術。わかんないもんはわからないし、できないもんはできない。でも、「なんでそれがわるい?」っと開き直っちゃう(笑)っていうことから始まる論法。理論は理論で戦えない。「開き直り」はある意味戦術。なんとなく、昨今の私に必要なテクニックなような気がして、ついついメモ。

もうひとつは、「声」による技術。。昨年、突発性難聴をやって以来、私の左耳は若干ながら聞きにくくなってしまったことも相まって、私はついついMTG中に「聞こえないので、はっきり話をしてもらませんか?」と一番前の席で言ってしまって笑われることがある。でも、聞こえないもんは聞こえない。なぜにハッキリ話をしないんだ、と私はついついイライラしちゃいうのだけれど、これって「皆が聞いてくれる」という前提で話をしている甘えなんだと改めて気付いた。で、この本にある技術。

「もし自分が発言する環境にいて、誰も故意に聞こうとしない環境にいたらどうなるか。おのずと大きな声になる。そして、少しでも呼びかける為の目線が変わる。少しでも理解してもらいやすいような話スピードが変わる。少しでも納得してもらう為のわかりやすい表現を使う。少しでも注目してもらうためのお化粧や身だしなみを整える。絶対聞いてもらいたい、そのモチベーションがあれば、すべての条件を相手にあわせてまでも、「私」をかえる方がてっとりばやい」。

ちょっとグサっとしました。話し方、声のバランス。なにげに私、あまり意識してなかったので、自分がクレームいれていた相手と同じじゃないかと。私は私、英語苦手で何が悪い!と開き直っていた自分に三度反省。あああ、これもやっぱり技術か。伝えたいことがあるなら、自分が努力しなければ。。。自分が変わらなければ。

久しぶりに読んだ本で、学べることがある。自分はやはり変化している。気付きの週末でした。

Saturday, October 25, 2008

「誘惑される意思-人はなぜ自滅的行動をするのか-」

3週間かかりました。NYに持参したものの、ほとんど読み進むことができなかった(半分挫折気分にもなった・・・)。でも読み終えた今だと、その苦悩の時間が楽しかったと思います(Mっぽい発言??w)。ということで結論としては、たまにはこういう頭ぐちゃぐちゃになりそうな本もいいかもです。一瞬理解範囲を超えると人間の脳はパワーアップするかも!?

さて本の内容を一言で言ってしまうと、「人間(動物)は、目先の短絡的な誘惑に弱く、将来のことは逆に割り引いて考えてしまいがちである」といった行動特性を「双曲割引」といった概念をもとに説明している本です。そこからさらに、ある事象を「理性的に理解して強い意志で実行に移すのが合理的である」が、人間は(誘惑に打ち勝つことが少ないため)そうはいかないし、結果として、「合理的な決断をすることによって満足度は減少してしまう」から判断が揺れる、ということに筆者は触れています。

なるほど、色々思い当たることはありますが。なにより一番感じたのは私はあまり先を見通した選択をせず、「今」をメインに生きているよなぁと・・・いうこと。よく外国人(やら男子)に質問される「5年後どうしていたい?」の回答はいつも頭を抱えている私(毎度聞かれる・・・)。満足度100%がいいと思って「今」を選択しているというよりも、将来の自分にまだ約束できるほど意思が確立していないってことなのでしょうか。

最近、お仕事をご一緒している方が「ボクの夢」なることをよく発言するのですが、「そこまでハッキリと言い切れるくらい自分のやりたいことを明確にもちそのゴール目指してレールを築くことができる」ってすごいなぁって思っています。なにげに昨今、私ができる彼の夢の手伝いに参加させてもらいながら、刺激を受けさせてもらっていたりもして我振り返という昨今。ううむ、私いい年して何故に自分で道を定めることができないのかしら・・・情けなし(涙。

話もどって、「合理的な事項の追求による満足度低下」という話から考えたことをもう一つ。昨今、雑誌が面白くないといわれていますが、きっとこの理論なのかなぁと。マーケティングという合理化によって、むちゃくちゃな特集とか考えとかを表現することが失われた結果、編集人の満足度も低下した・・・なんだかそんなことが頭に過ぎりました。作っている本人が面白がってないと、出来たものは面白くないものね。

読み終えた後も色々考えることができる本は、やはり刺激になります。
さー、次は何を読もうか。

Saturday, October 18, 2008

「なぜ彼女は愛されて仕事ができるのか」

NY出発前の空港でふと目はいって購入したけど、久しぶりに「面白くにゃい・・・」と思ってしまった一冊。とはいえ、一応最後まで読み終えて、なにが「面白くない」のかつらつらと考えてみた(苦笑。

この手の本(自己啓発?)は世の中にいっぱいでているし、私は間違いなく読んでいるほうだと思う。それはなぜか、と問われれば・・・自分というよりも周囲がどういう風に女性会社員を見ているのか知りたいし、先に生き頑張ってきた女性が著者だった場合はその中にひとつでも学べることがあったりすればいいなぁと、ついつい期待したりして。でも、やはり多くの本はからぶってしまう(それはそれで学びだからいいけど)のが残念だけど・・。

で、この本。なにがイヤかって男目線かつ上目線でかかれていたから。確かにわかる・・・でもねぇって思うことも多いし、あたりまえのことをあたりまえに書いているけど、これを期待して読んでいるターゲットが誰かにもよるがって気もするけど・・・どうなんだろ?刺さるのかなぁ・・・。というか、女性のための本と著者はいっているけど、女性のためなんだろうか、これ??しつこいが、ターゲットは誰なんだろうこの本?男性がこうしてほしい女性像・・・そんな風にも読めるけど。

本を書くってきっとターゲット設定難しいんだろうね・・・そんなことを思った一冊でした。
薦めません(苦笑。

Friday, October 17, 2008

NY旅紀行:グラウンドゼロ

正直・・・苦しくなりました。その昔、まだ学生時代にアウシュビッツに行った時にうけたのと同じ感覚。写真を撮るという気持ちも沸き起こらなかった。というか、逃げたい・・・けど、逃げちゃいけないっていうそんな葛藤が自分の中で起きていることを実感。

別に私の直接の知人がそこで亡くなったわけでもないし、この場をきっかけとして私自身の生活になにが変化があったわけではない。でもニュースで見ていたことや私の周囲で直接いろんな影響を受けた人たちの思いがぶわーっと身体の中で蘇ってきて、気がつくと涙が流れていました。正直、こういう涙は初めての経験。自分がなんで泣いているのかわからないけど、止まらなくて困惑。ヒクヒクするというのではなく、ただただツツーって流れ落ちる涙。すごくすごく重たい気持ちになって、立っていることが出来なくなっていました・・・。

同じような観光客で、マイアミからきていたというおばさんが「Are you OK?」と声をかけてくれてティッシュをくれる。自分でもびっくり。やっぱりどっかおかしいんだよね・・・私。

今でもわからない。なんだったんだろ、あの感覚。

Thursday, October 16, 2008

NY旅紀行:アートとは・・・

ご存知の通りのアートおたくの私。今回訪れたNYでも結局大小あわせて5つのMuseamで時間を過ごしました。プラス、街中に溢れる彫刻や自然そのもののアートとか、本当にNYという街は、フランスParisのそれとはまた違う意味でどこを切りとっても美しかったなぁ。

絵画ではレンブラントやフェルメールなど、ちょっと暗めだけど光の当て方が美しいオランダ絵画が私の好み。今回は、MOMAや誇示所蔵美術館で6枚のフェルメールに出会って、かなり満足。来日した時に見た作品(そういやメトロポリタンにあったドゥラトゥールは再会だったなぁ・・・)や、日本にきたことがない為の初対面の作品やら、こんなにも一気に対面できるなんて本当に感動でした。プラス、時期がよかったのかあまり観光客がいないから独り占めできたりする。すごい貴重で贅沢な時間の過ごし方だよね。

MOMAを筆頭とした現代アート体験もとても楽しかった。今回、初日にメトロポリタンで中世までの作品を観て、その後コンテンポラリーに移るという回り方をしたのは我ながら正解。自分もアートのひとつになって体験できる作品とか、アーティストと一緒に作り出せる感がとても楽しい。と、自分が好きなこの感じ・・・仕事もアートの楽しみ方も、実は私は一緒なのかも?なんてついつい考えつつも、「参加感」というのがひとつのキーワードと強く感じたかなぁ。完成形をみるのではなくて、一緒につくりあげる喜び。そこにある心の動き、それこそアートなのではって思う。

さて、最終日に行った新しい美術館(アートとデザインの美術館)は、まだまだ未完ながら、どちらかというとチャレンジな作品や若い人の作品が多くて刺激的でした。日本ではまだあまり紹介されてないし、当然日本人は皆無だし、現地の方も年配者がほぼ9割。でもすごく楽しかった。工芸品で日常品を主に扱ったアート。ゴム手とかヤカンとか靴とか、ネームプレートとか糸とか・・・なんでもアートの材料になる。発見とかアイディアとか感じずにはいられない。なんとクリエイティブなことか!!

こういう日常なものに見つけるアートな感じ、やっぱり大切にしたいです。そう思いながら歩いていた時に私の目の前に広がった噴水。小さな小さな「虹」を発見できました。これも自然が作り出したアート。小さいけれど美しい発見、見逃すことなく生きたいものです。

Tuesday, October 14, 2008

NY旅紀行:自然との対話

自然に 勝るものがない・・・。NYでセントラルパークやブライアントパークを散歩しながら、そんなことをふと感じました。私は北海道出身なので、どちらかといえば都会よりも田舎育ち(それも海側ね)。だからほぼ高校を卒業するまで自然に戯れながら大きくなりました。

外でシロツメクサで冠作ったり、トンボをおいかけた日々。夕焼けで山が燃えていると思いこんで父親の会社に慌てて行って呼び出したり(→幼いからこそ許される行動・・・爆)、流氷を棒でつついて遊んで怒られたり。優しい両親は、私に自然を経験させることを目的として、おにぎり持参でいつもドライブに連れて行ってくれて、山菜取りをしたなぁ・・・。そんなことが幼い頃の記憶がたくさんある私は幸せなんだと改めて思う都会生活の私。だからこうして自然がいっぱいあるところにくると、なんだか嬉しくなる。空気が美味しくて、そこにいる人たちの穏やかな空気が嬉しくなります。

NYはちょうど秋を迎えたところ。ブライアントパークでは、秋を前にクラシックコンサート企画をひらいていました。秋から冬にかけて、やはりオペラやクラシックな気分になります。外でそれを体感できるってとっても素敵ですよね。セントラルパークは、毎日少しずつ色づいていきます。そんな小さな変化を実感できることがとても幸せ。

私、いい時にここに訪れたなぁ・・・そんなことをふと思ったひと時でした。



Monday, October 13, 2008

NY旅紀行:私と犬

Short StayだけどNYへ。Torontoからの帰国の途中に一泊したこと以外、ほぼ初のNY。何をしたら楽しいとか、刺激になるかと思いつつも、定番のミュージカル・オペラ・バレエを観たいとか、美術館に行きたいとか、経験したいことはいっぱいで、プライオリティ付けは大変。といいつつ、まずは決行と先週旅立ちでございました。

昨年のParis以来、海外の街を歩くの久しぶり。リゾート地には2回ほど行ったけど、ぶらぶらと散歩しながら歩く海外は、私にとても強い刺激を与えてくれます。元来、なまけものというかぼーっとしているのが好きなんだろうなぁ、私・・・。セントラルパークをぼーっと歩いていると妙に幸せな気持ちに。やっぱり、なんかいいよねぇ・・・この余裕がある感じって(訪問経験ある方は私のこの気持ち理解してもらえるかなぁ)。

プラス、現在属している会社がそう(ペット業界)だからなのかもしれませんが、やたらとわんちゃんが目につく。そして、とても自然な姿であることを嬉しく思ったり。振り返ってみて日本はどう?ちょっと悲しくなりました。「犬」という動物にとっての一番の幸せってなんだろう?なんて思っちゃたり。

自分が何者かも理解できないまま・・・・来月は再び旅しようかと思います。


Sunday, October 05, 2008

動物と人間

タイトルというよりも、帯コピーが気になって読んだ一冊。ペット業界にいる身としては、色々な観点で情報をInputしたいなぁと思っているので目にした時、早々にGet。

一読してみると、昨今とてもお世話になっていて、いつも何かあると相談にのってもらっているDogトレーナーの方が常々言っている事が、なんとなくストンと落ちたような気にもなったし、宗教観やら構造学的なものとか、複合していて業界関係者ではなくても興味深いかも、なんて思いました。南極物語・タローとジローの話とか、「なるほど、そういう解釈があるんだ!」なんて、ちょっとした目から鱗だったし、村上春樹作品の動物観とか、童話(教科書にのるような)でてくる動物話がこういう意図だったのか・・・なんて、改めて考えたり、いろんな観点で学べた一冊です。

ペット業界に来て、早1年半。以前だったら全く読まなかったであろうジャンルの本を読んだり、会わない人に会ったりしているうちに、また少し自分自身の層が増えたような気がします。加えて、根底にある「コミュニケーション」っていう部分は更に厚くなっていることを実感しつつ、人間も結局「動物」なんだよなぁって今更ながら思い直して、結果、これまで以上に人を許せることも増えたような気もする。。。前述のトレーナーさんが、「本当に動物っぽいですよね」と私に言うけれど(どうやら彼にとっての褒め言葉らしい)、「考えて行動」することよりも、「感じて行動する」ってことの方がどうやら先行している私。なんか、不器用だけどそれでもいいかな、なんて自分自身も許せるようになったし(苦笑。

私が言うのもなんだけど、人生は面白い。